MONO TRENDY

Bizギア・フラッシュ

不況が生んだメモ帳の群雄割拠 仕掛けや素材も多様に 納富廉邦のステーショナリー進化形

2018/2/15

デジタルとすみ分ける形で多様なメモ帳が登場している

 文具店に行くと、多様なメモ帳が並ぶことに気づく。シンプルなポケットサイズのメモ帳に見えるのにバインダーノートのように並べ替えができたり、ToDoリストに最適な形になっていたり……。スマートフォン(スマホ)が普及した今、なぜこれだけの製品が登場しているのか。ロディアが火をつけたと言われるメモ帳ブームを、長年文具を見続けた納富廉邦氏が解説する。

◇  ◇  ◇

 メモ帳の強みはデジタルとのすみ分けがしっかりできていることだろう。メモを取るならスマートフォン(スマホ)より手書きのほうが速い。並べ替えたりノートに貼ったりと、後から整理するときも紙のほうが便利だ。バッテリーが切れて使えないということもない。

 手書きブーム、手帳ブーム、文房具ブームなどの後押しもあり、付箋なども含めたメモ関連文具は、それだけで一冊の本が作れるほどの一大ジャンルになっている。まさに群雄割拠の状態。「メモ帳こそ文房具の最先端」といっても過言ではないのだ。

■メモの可能性に気づいた文具メーカー

1961年発売の「ダイヤメモ」。ビジネスマンのポケットサイズを測ってサイズを決めたという逸話があるほど、ビジネスマンの常用メモとして開発された

 今でこそにぎわいを見せるメモ製品だが、十数年前は関心を示す人は多くなかった。

 「消耗品から『高級実用品』へ ボールペン、進化の秘密」で解説したように、リーマン・ショックの影響で会社から支給されなくなるまでは、ビジネスマンのほとんどが自分の使っているボールペンがどのメーカーの何という製品か答えられなかった。普段使いのメモ帳も、同じような状況だったのだ。もちろん、ビジネスマン向けの定番にして、今も愛用者が多い名作「ダイヤメモ」(ミドリ)のようなメモ帳は昔からあったが、こだわりを持って製品を選ぶという人は多くなかった。

 現在のメモ帳ブームに火をつけたのはロディアだろう。筆記具ブーム、文房具ブームが始まる2000年代後半、ロディアのブロックメモが人気になった。製品自体はそれ以前から日本でも手に入ったのだが、扱う店が少なく、一部のデザインにこだわるユーザーの愛用品にとどまっていたのだが、ブームに後押しされる形で、徐々に人気を高めていく。

 独特の紫色の方眼ケイ、表紙を裏返した状態で使い書いたメモはどんどん切り離していくスタイル、様々なサイズから選べる多様性、フランスらしいおしゃれなデザインなどが支持されたのだろう。

 その後、アイデアをまとめるためのノート群として発売されたマルマンの「Mnemosyne(ニーモシネ)」シリーズも市場に受け入れられる。

ロディア「ブロックメモ」は、サッと書いて切り離して使うという方眼罫メモのスタイルを日本にもたらした。表紙のデザインや豊富にそろうサイズで、供給が安定した2000年代以降、じわじわと人気を高めていった
アイデアをまとめるためのノート群として発売されたマルマン「Mnemosyne(ニーモシネ)」シリーズ。全てのページにミシン目が入り、書き心地の良い上質な紙を使うなど、ビジネスの現場で使うノートやメモを一から見直して開発

MONO TRENDY新着記事

ALL CHANNEL