セリアの調理グッズ8選 デザイン良し、店で使える
プロも驚く100均の調理グッズ(中)
合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏がイマドキの調理道具を徹底比較。人気の高い100円均一ショップ(以下、100均ショップ)の調理グッズを検証する。今回は「セリア」。デザインが良く、使って楽しいグッズがたくさんありました。
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こんにちは、飯田結太です。飲食店のなかには、100均ショップでほとんどの道具や食器をそろえてオープンするところもあるんです。最初にこの話を聞いたときには半信半疑でしたが、セリアに行って実感したのが、「レストランをオープンできる」ということでした。
そう思えるほど食器の種類が豊富。もちろんプロショップに比べたら選ぶ範囲は決して広くはないと思います。中には造りが雑なものも。でもちょっと試してみたい、使ってみたいという視点で考えると申し分ないと思います。デザイン性の高さ、アイデアに感心しました。
今回はセリアで感心したスグレモノを紹介します。
使い勝手が良い小麦粉用ストッカー
セリアで最も驚いたのが、コレです。2016年ごろから小麦粉を使いやすくする調味料缶と呼ばれるものがたくさん出ました。一時期ブームになったくらいに。当時は、各社いろいろなアイデアを盛り込んで、容器をクリアなものにしたり、メッシュをつけたり、ふたをつけたり。でもどれも業務用は1000円近くしたのです。そのいいとこどりをしたのがコレ。
メッシュは樹脂製なので耐久性はないと思いますが、容器は残量が見えるクリアな素材、肉の下味としてささっと小麦粉を均等に振れるし、ふた付きなのでそのまま冷蔵庫にしまえます。このクオリティーで100円は驚きです。コレはレベルが高い!
おしゃれでいくつも欲しくなる計量グッズ
機能性はもちろん、デザイン性の高さ、かわいさでいくつも欲しくなったのが、計量スプーンと小さなメジャーカップです。プロにとって計量グッズは欠かせないもの。正確性を求められるのは当たり前ですが、使いやすさも重要です。その2つのポイントをクリアしていて「コレなら使える!」と思ったのが下記の2点。
ミルクパン型・スキレット型計量スプーン
ミルクパン型は大さじと小さじのセット。スキレット型はなぜか大さじ2分の1と小さじ2分の1のセット。計量数が違うので両方持ちたくなりますよね。どちらも砂糖や塩などのストッカーの中で使うものです。計量スプーンというとプロ用のものはステンレス製やホーロー製が一般的。でもステンレス製だとストッカーの中に入れたままではさびたりしますし、ホーロー製は割れてしまうこともあります。そうするとプラスチック製が適しているので、最近はプロ用のものでもプラスチック製が豊富になりました。これはプラスチック製で、デザインがかわいいので使っていても楽しくなります。まさに調理をちょっと楽しくするエッセンスのようなもの。しかも柄が長いので使いやすいんです。
目盛りが見やすいメジャーカップ
一般的なメジャーカップは目盛りが赤で書かれています。しかし、赤だとしょうゆのように色の濃い調味料や液体では目盛りが読みづらくて使いづらい。ここ数年そんな読みづらさを解消するためにシルバーの目盛りのメジャーカップが出てきてプロにも評判がいいのですが、100均ショップにもすでにそれがあるとは思いませんでした。これは真上からも目盛りが読み取れるので使いやすい。しっかりしたものなのでプロでも使えますね。
楽しんで料理が作れるカッター2種
「インスタ映え」する料理が一般的になりつつあり、家庭でも料理の盛り付けにとても凝る人が増えてきました。下記の2つのカッターはそんなリクエストを簡単にかなえてくれるグッズですね。「ちょっと楽しい」「ちょっと遊べる」をテーマにした100均ショップの代表的なものかもしれません。100円だったら手軽に使えるのでいいですよね。
ハムで花を作れるカッター
プロは料理を美しく盛り付けるのも大切な仕事。そんなプロの技を簡単にできる調理道具は最近増加中で、ホームパーティーや子供の弁当用に好評なのがハムで花を作ること。このカッターはハムの上から押すだけで切れ目が付き、後は折り畳んでいくだけで花が完成します。誰でも簡単にきれいに作れるのがいいですね。
くるくる野菜が簡単に作れるカッター
以前、似た製品をこのコラムで紹介したことがあるのですが、キュウリやニンジンなどの野菜をらせん状にカットするもの。プロ仕様のものと形状は少し違いますが、これが100円ならいくら試しても損はなさそうですね。100円で楽しめるのはずるいですね!
調理後も便利に楽しくしてくれるグッズ
料理は好きだけど、後片付けは大変。と考えている人は多いのではないでしょうか。それはプロも同じ。やらなければいけないことだから続けていますが、できれば手軽に済ませたいもの。そこで、業務用ではストッカーや、食器や鍋の汚れを簡単にとるためのグッズがいろいろあります。下記の2つはプロも欲しがりそうです。
チューブを便利に保管できるホルダー
調味料チューブは残量が少なくなると、なかなかうまくしぼり出せなくなりします。そんなときに便利なのがチューブをきれいに残さず使えるホルダー。これはチューブをホルダーに挟んで端をくるくる回すと残りがきっちり出てきます。しかもフック付きなので、冷蔵庫で迷子にならずに貼り付けておけるのが便利。フック付きは業務用にはなかなかないかもしれません。しかも100円というのは驚きです。
鍋の汚れがきれいに取れるグッズ
鍋やフライパン、皿の食べ残しなどをきれいにとるためのキッチンスクレーパー。コレを見つけたとき、思わず「え、うそ」とつぶやいてしまいました。オールシリコン製というだけでも驚きなのに、耐熱180度なので、フライパンの汚れ取りにも使えます。オールシリコン製で業務用なら安くても600円前後はするかもしれません。悔しいですが、これは欲しい!プロが使ってもまるで遜色なしです。
100円とは思えない調理道具がいろいろあって驚きました。しかも、セリアはデザイン性が高い。オリジナルデザインが充実しています。デザイン重視で選ぶならここですね。(談)
(文 広瀬敬代、写真 菊池くらげ)
[日経トレンディネット 2017年12月27日付の記事を再構成]
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