業務用にもないBBQ串…　キャンドゥの調理グッズ5選

合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏がイマドキの調理道具を徹底比較。おすすめ100円均一ショップ（以下、100均ショップ）の調理グッズ。今回は「キャンドゥ」編。仕入れたいとほれ込んだ商品が登場した。

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こんにちは、飯田結太です。今回から3回にわたって、人気100均ショップで選んだプロも使いたくなる調理グッズを検証します。正直にいうと、100均ショップの製品はプロとして使えるモノはほとんどないだろうと思っていましたが、今回久しぶりに足を運んで驚きました。コスパの良いもの、プロが使える道具が次々と出てきたのです。実はあなどっていた部分もありましたが、これは定期的に足を運ばないと時代に乗り遅れると感じました。

それぞれ特徴がある100均ショップですが、キャンドゥはユニークな商品が目白押しでした。特に最近飲食業界でトレンドになっている調理道具はしっかり押さえているのがスゴイ。調理道具専門店にも卸している有名メーカーが100均ショップ用に作っている商品もありました。プロ仕様との違いは、素材や作りでコストを抑えていること。さらには、調理道具専門店でも見かけないアイデアグッズまで発見しました。その中から使いたい、ぜひ仕入れたいと思った商品5つを紹介します。

一見、普通のバーべキュー用の串ですが、これが優秀でした。上部にある押さえ棒を手で押すと動くようになっているんです。この押さえ棒を下げることで、具がラクに外せるというわけ。これは便利です。今までいろいろな串を見てきましたが、これは業務用でも見たことがないです。バーベキューのほかに、シュラスコを出すレストランなどでも、テーブルで肉を外して提供するなどの演出ができますよね。

長さは約35cmもあるので十分。軽いし、ステンレス製なので長持ちします。これは感動ものです。ぜひ仕入れたいと思いました。

冬になると、米を研ぐ作業は辛いですよね。手がかじかんで感覚がなくなることもあります。また、ネイルをしている女性にとって米とぎはあまりしたくない作業。そんな人のために開発されたのが米とぎ棒でした。誕生したときにはブームになるほどで、今では定番商品になりつつあります。これは、その進化系。

この商品が優れているところは、米を研ぐ部分が指を広げた形になっていて丁寧に研げるということ、さらに水切りのときにも利用できることです。指に近い形状の部分は取り外しができるので、洗うときには便利。水切りもできて100円なんて感動ものです。

飲食業界では食器にトレンドがありますが、今トレンドなのが石のプレート。厚みのある天然石の一枚板のうえに料理を盛り付けるとまるでアート作品のようになると人気なんです。もちろんインスタ映えもいいですよね。

そんなトレンドの食器が100均ショップで購入できるなんて驚きです。しかもちゃんと厚みもあるし、天然石素材。とても100円には見えないですね。これはプロが使いたい。スクエア形のほかに、長方形やサークル形もあってバリエーションも豊富。大量買いしたくなる商品です。

コンビニで売られているおにぎりの海苔（のり）、いつ食べてもパリッとしていて、すぐに切れるし食べやすいですよね。あれは、食べやすいように海苔に小さな穴が無数に開いているから。海苔に穴を開けるグッズは人気になり、テレビでも紹介されるようになってから、100均ショップでも売られるようになりました。今回見つけたのはそのお手軽版と進化系。

　海苔を切りやすくする専用パンチ

業務用の海苔パンチは、海苔全体を一度で開けるタイプ。それに対してキャンドゥで見つけたのはおにぎりサイズの海苔を入れてハンドルを回すことで海苔に穴が開くというコンパクトなもの。家庭で使うなら十分の大きさ。かえって収納にも困らないコンパクトさがプロにも受けそうです。しかも100円とは驚きです。

　海苔で作る食べられるカップ

パーティーなどで活躍する使い捨てのシリコン製のカップや紙カップは便利ですが、食べ終わった後にカップだけ残って置く場所に困ることがあります。これは、そんな小分けカップを海苔で作れるキット。業務用として一時期人気でしたが、その後廃版になってしまい残念に思っていました。ところがキャンドゥで発見。

これは、海苔をカップの間に挟んで500wの電子レンジで約1分10秒加熱すると、海苔がカップ型になるというもの。ご飯を入れてもいいし、空揚げや野菜を入れてもいい。そのままカップごと食べられるので後片付けも簡単。ホームパーティーには最適です。

キャンドゥには、プロが使えそうな面白い、料理をちょっと演出できるようなグッズがたくさんありました。なかでもスライドバーベキュー串はぜひ仕入れたいと思うほどの商品。クオリティーの高いものがたくさんありました。これからはプロも100均ショップを利用する時代ですね。（談）

（文　広瀬敬代、写真　菊池くらげ）

［日経トレンディネット 2017年12月22日付の記事を再構成］