犬を置いて外出できません
女優、ミムラさん
室内で小型犬を飼っています。情が移り、かわいさのあまり外出ができなくなっています。犬のホテルに預けたこともありましたが、つらそうな表情を見ると、それすらできなくなりました。行動範囲が狭くなり、悩んでいます。(千葉県、70代、男性)
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そこまで愛が深まってしまったならば、小型犬という利点もいかし、どこでも一緒に出かけてみてはどうでしょう。「ペットは家族の一員」という方々に向けて、ずいぶん融通のきくサービスが増えている現代。「愛犬と泊まれるホテル」もぐんと増えているそうですよ。
我が家でかわいがっているのはイワナです。厳しい水質・水温管理はもとより、一緒にお出かけなんてできません。やはりお犬様は人類最古の友、帯同範囲が広くてうらやましい限りです。
さて「可能な限り一緒に行動する」という方向は実現可能として、それ以外の時間をどうしましょうか。この先何年もともに過ごせば、不慮の事態は必ず起きると思います。どうしても一緒にいられない場合、家に置いていくか、また犬のホテルか。そんなとき、犬がストレスを感じないようにトレーニングしてあげることも、飼い主としての責任を全うする、ひとつの愛情表現ではないでしょうか。
具体的には、不在時の餌やりや散歩をしてくれるドッグシッターさん。来てくれる人がコロコロ変わるとストレスになるので、長くお世話になれるプロを見つけるといいと思います。親戚で頼れる人でもよいですし、とにかく犬と相性の良い助っ人を見つけておく。相性がわかるまで何人か試してみるのもいいです。
犬のホテルも、数が増えた分サービスに差があると聞きます。利用を考えているホテルの設備をあらかじめ見せてもらうのも安心感が出ると思います。
もう一つの観点。いろいろな場所へ一緒に外出するにしても、ホテルで他の犬たちと何日か過ごすのも、犬同士のルールがわかっていないと、トラブルになる可能性があります。他の犬と仲良く過ごすトレーニングをプロから受けるのも、効果があります。「しつけのし直しなんてかわいそう」とも感じますが、これが意外と犬自身のストレスが減る。集団で生きる生態の持ち主ですから、自分が集団の中で上手に振る舞えることに満足するようです。
「どこまでも一緒に」の基本を踏まえた上で、不測の事態でふりかかるストレスの軽減に工夫をしつつ、長く健康に一緒にいられる工夫をなさってください。
[NIKKEIプラス1 2017年11月18日付]
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