センサーの計測データから、いつ誰と誰が会話しているかが分かり、アプリでアドバイスを送れるという

白河 例えば、どんなアドバイスが来るんですか。

矢野 「上司に話をするのは、午前中がいいよ」とか。それは、その人の過去のデータから導いたアドバイスですので、別の人には「午後のほうがいいよ」というアドバイスが出ることもあります。

白河 仕事のやり方はどうですか。集中力の持続時間など、人によってアドバイスが違うのですか。

矢野 そもそも集中力については、続いたほうがいいとは言い切れません。例えば、45分間集中して、5分休憩したほうがいい人もいれば、もっと短い周期で集中したほうがいい人もいます。「あなたの場合、長い時間は作業に集中せず、いろんな人の割り込みを許したほうが、あなたも周りも幸福度が上がりますよ」というアドバイスになることもしょっちゅうあります。

白河 それは、個人にとってもハッピーだけど、チーム全体のハッピーを優先しているわけですよね。

矢野 そうです。

会話の頻度や方向性も分かる

白河 すごくおもしろいですね! では、その端末を着けていると、誰と誰がコミュニケーションをとっているかということも分かるのですか。

矢野 この端末を着用している人同士が2~3メートルの距離で対面していたというデータが取れるので、分かります。その上、各人の身体の動きのデータも取っていますので、どちらが会話を投げかけている側で、どちらが受け止めている側なのか。双方向の会話なのか、一方的な会話なのかも分かるんです。

白河 会話の内容までは分からなくとも、そういうことは分かるのですね。

矢野 体の微細な動きは「非言語情報」に含まれますが、これは、言語以上に豊富な情報を含んでいるのです。

白河 この会話で、居心地がいいのか、悪いのかということも明らかに分かるのですね!

矢野 分かります。そういったデータは、様々な形で活用できると考えています。

白河桃子
 少子化ジャーナリスト・作家。相模女子大客員教授。内閣官房「働き方改革実現会議」有識者議員。東京生まれ、慶応義塾大学卒。著書に「婚活時代」(共著)、「妊活バイブル」(共著)、「『産む』と『働く』の教科書」(共著)など。「仕事、結婚、出産、学生のためのライフプラン講座」を大学等で行っている。最新刊は「御社の働き方改革、ここが間違ってます!残業削減で伸びるすごい会社」(PHP新書)。

(後編では、知的生産性や幸福度を上げるためにはどうすればいいか、具体的なお話を伺います)

(ライター 森脇早絵)

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