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医師が明かすストレス対策 心を病まないための習慣 ストレスに強くなる3つの習慣【後編】

日経Gooday

2017/10/23

過酷な環境でもストレスに打ち勝てる人の共通点は?(c)rawpixel -123rf
日経Gooday(グッデイ) カラダにいいこと、毎日プラス

 長時間労働などの働き方が問題視され、「働き方改革」に取り組む企業も増えているが、ストレスから心を病む労働者は絶えない。前回は「医師が明かす ストレスに強い人、弱い人の決定的違い」について紹介した。今回はつらいときに意識すべき感覚「SOC」と、身につけるべき習慣について、50社以上の企業を担当してきた精神科産業医の吉野聡さんに詳しく聞く。

■心を病まないためのポイント「SOC」

 前回は、ストレスに強い人と弱い人の違いがどこにあるかを解説した。そのポイントの1つが、合理的に考えられるかどうかにある。精神科産業医の吉野聡さんは、物事の感じ方・捉え方はトレーニング次第で変えることは可能だと話す。今回は、ストレスに強くなるための習慣を引き続き紹介していく。今回のキーワードは、「SOC」と「ルーティン」だ。

 大きなストレスがかかる出来事に遭遇した時、心を病まないためのポイントとなるのが、「SOC(Sense of Coherence:首尾一貫感覚)」だと吉野さんは話す。

 第2次世界大戦中にアウシュビッツなどの強制収容所で過ごし、その過酷な環境を生き抜いた人たちを調査した研究がある。生還者の中には、理不尽かつ過酷な環境にも関わらずストレスに打ち勝ち、健康で長生きした人もいた。彼らの共通点を米国の医療社会学者が研究して提唱した概念が「SOC(Sense of Coherence)(首尾一貫感覚)」(図1)だ。

「SOC」という感覚を日々意識すれば、大きなストレスがかかる出来事や困難な状況に直面しても、心身の健康を守りやすくなる

 SOCには、「有意味感」(=チャンスを見いだす思考)、「把握可能感」(=俯瞰[ふかん]&段取り思考)、「処理可能感」(=楽観思考)という3つの感覚(思考)がある。「これらを日々意識すれば、SOCの力は少しずつ鍛えられます」(吉野さん)

■平常心を養う効果が期待できるルーティンとは?

 前向きに考え、ストレスに強くなる3つめの習慣として吉野さんが挙げるのが、平常心を養う効果が期待できる「モーニング・ルーティン」だ。

未だ現役で活躍を続けるイチロー選手。彼のルーティンは有名だ(c)Eric Broder Van Dyke -123rf

 40代になっても世界の第一線で活躍し続けるイチロー選手のルーティンは有名だ。吉野さんがある大手外資系企業に勤めるトップセールスマンに話を聞いたところ、彼は毎朝、始業時間の30分前に出社し、決まったルーティンを実行しているという。

 「毎日同じことを繰り返せば、『今日は何しようかな』と考える必要もなく、余計なことにエネルギーを注がずに仕事に取りかかれます。スポーツ選手で言えば、競技に挑めるウオーミングアップが完了するんです。精神を安定させ、コンディションが整えば、大事なプレゼンといったプレッシャーのかかる仕事に挑みやすくなります」(吉野さん)

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