2020年度に迫る入試改革 「英語難民」を脱するワザ
東進ハイスクール英語講師の安河内哲也氏に聞く
中高では外国人講師の授業が増えそうだ=PIXTA
2020年度に迫った大学入試センター試験改革。目玉は英語にスピーキングテストが加わることだ。大学受験が変われば、高校や中学の英語学習法が大幅に見直される。しかも小学校の英語授業も本格化する。急速にグローバル化が進展するなか、一般の企業でも外国人社員が増え、ビジネスパーソンにも英語を話す力が求められている。「英語難民」は居場所がなくなりそうだ。英語教育はどう変わるのか、対処法はあるのか。東進ハイスクールなどで活躍し、カリスマ英語講師として知られる安河内哲也氏に聞いた。
スピーキングテスト、民間事業者を活用
「日本の英語教育は革命的に変わる。20年度のセンター試験から英語は、『読む』、『聞く』の2技能を中心に測定するテストから『話す』『書く』が加わり、英語力の4技能を均等に測定するテストに変更される。ポイントはやはりスピーキング力だ」。文部科学省の「英語教育の在り方に関する有識者会議」委員でもある安河内氏はこう話す。
センター試験は毎年1月に50万人以上が受験するが、スピーキングの技能など一度に測れるのだろうか。安河内氏は「もちろん、2日間のセンター試験でスピーキング力を試すなんて無理。民間業者を活用することになる。センター試験期間中ではなく、ある一定期間内に例えば、英検などを使ってスピーキングテストをして、それをスコアとするわけだ」という。
民間業者は最終的に選定されていないが、英検のほか、「TOFEL iBT」、「GTEC CBT」など信頼性が高く、広く普及している検定試験形態を活用することになりそうだ。この手のテストはパソコンやタブレットなどの端末を通じて対応が可能。ただ、全国津々浦々の高校生を対象として、セキュリティーを担保して公平にテストを実施する必要があり、課題も少なくない。
フィリピンと安価なオンライン英会話
どのようにしてスピーキング力を磨けばいいのだろうか。安河内氏は「当然のことだが、学校の授業でたくさん話すのが一番大事。不運にも外国人講師がいないとか、活動型の英語授業を行っていない学校に通っているような場合は、民間の英会話学校などを利用することになるだろう。ただ、それにはお金がかかるので、安価なオンライン英会話が一番のお薦めだ。アプリは発音の練習には役に立つが、とにかくたくさん話す方が効果的だ。学校でもオンライン英会話を導入していくことが期待される」という。