激務卒業、週20時間でいい アクセンチュアの働き方アクセンチュアの武井章敏人事部長

「入社するのはインターンに参加していない学生のほうが多いですね。ただし、参加者には選考の案内をしています」

働き方改革、社員の意識をどう変えるか

――「働き方改革」に積極的です。コンサルタントは激務というイメージですが、なぜ変わったのですか。

「まず、業務が多岐にわたってきて、多様性のある人材を採用しないと、よい成果が出せなくなってきました。アクセンチュアならではの新しい価値や解決策を提供できるようにしなければなりません。スピードや量の面で他社と競争しようとすると、厳しい戦いになってしまいます」

「量よりも質や価値を重視するよう変えるには、社員が机にかじりついているのではなく、外で勉強したり、知らない人と会ったりしたほうがいい。専門性を生かして大学で講師をしたり、実家の商売を手伝ったりしている人もいます。『兼業』も認めています。もちろん、家族と過ごす時間も大事にしてほしいです。そこで生産性の向上や働き方改革に取り組むようになったのです」

――具体的にどのような対策を取ったのですか。

「全世界で働く従業員約38万人の知見と事例が集積されたデータベースを作り、社員が自由にアクセスできるツールを整備しました。18時以降の会議も原則禁止し、正社員でも週に20時間以上、週3日勤務も可能、という『短日短時間勤務制度』システムを導入しました。育児や介護、ボランティア活動への参加であればこの制度を申請できます」

――これから入社する人はともかく、「ハードワーク」で育ってきた社員は大丈夫ですか。

「いまだに苦労しています。会社から、ただ『早く帰れ』『働き方を変えろ』といっても変わりません。業務を効率化するツールを提供したり、各部署で成功した事例を社員の見られる共有サイトや社内の壁にはって紹介したり、1、2年かけてやってきました。結果的に1人当たりの売上高が増えて、正のサイクルに変わってくると、何もやってない上司やチームは『まだ何もしてないの』とみられて、肩身が狭くなります。2年目にして、ようやくそういう傾向になってきたなと思います」

――「成長期にはもっと働きたい」という若い層もいるのでは?

「そこは永遠の課題です。現在のマネジャーたちはハードワークで育ってきていますしね。しかし、本当に長い時間働いたから成長したのでしょうか? 『違うよね、様々な経験を積んだからだろう』と。では今、どこで経験を積むのがふさわしいのか、ということです」

「これだけ情報にあふれ、変化が激しいと、異なる人たちの意見を取り入れないと新しいものは生み出せません。そういう時代ですから、会社で目の前の仕事に没頭することも時には必要ですが、それ以上に幅を広げて多様な経験をしてほしいのです。そのほうが将来の自分の成長にも、さらにはチームの成長にもつながる。そう考えています」

(松本千恵)

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