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NIKKEI STYLE キャリア
リーダーのマネジメント論

2017/5/30

リーダーのマネジメント論

――革新的な人材で、年収2000万~3000万円の価値があれば、それだけの報酬も出すと。

「特に米国で採用している人はそうです。日本の報酬体系が、柔軟に変えなければならない時期にきています。ですから、今の日本の賃金制度から考えれば、かなり思い切った『飛び級』もやっています。通常は1階級ずつあがるところを、2階級、3階級特進してリーダーにしたり、『専任理事』という専門性の高い研究職に40歳前後でついてもらったり。世界と戦える人材を処遇するやり方は柔軟に考えています」

アステラスに「派閥」なし

――アステラスが誕生して10年以上が経過しました。再編した場合、「○○出身」といった『派閥』のようなものができるケースもありますが。

「まず、マネジメントも、現場も含めていわゆる『派閥』のようなものがまったくないので……。そんな話が出ていたのは、最初の1年ほどじゃないでしょうか。今では、そこに外部のキャリア人材もどんどん入ってきているので、旧両社の話をしてもなんの得にもならない。経営の意思決定をする『エグゼクティブ・コミッティ』のなかにも3人の外国籍の社員がいます。海外では当たり前ですが、その人たちは様々なキャリアを重ねて入社した人です」

「合併時に全く新しい社名にして、当時会長だった青木(初夫)さん、社長だった竹中(登一)さんの2人で、部門の長を面接し選んでいました。それが今につながっています。派閥にこだわり、ベストな人材を選べなければ、我々が最終的に目指すところに到達しなくなってしまう。そのことへの恐れのほうが大きいですね」

――社長の考える後継者の条件は。

「1つ目は、アステラスの『科学の進歩を患者さんの価値に変える』というビジョンがあるので、イノベーションを次々に生み出すためのしくみや、社内の新たな能力をつくり上げていく人間であるべきだと思います。また、常にスピード感を持って変化できる人間。社長としてのマネジメント能力とは別に、この資質が必要です」

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後継者、平時なら内部人材に可能性
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