東大か京大か、決めるのは私 女子学院の白熱教室女子学院の鵜崎創院長に聞く

女子学院には保護者でも簡単に入ることができない

しかし、鵜崎院長は「生徒の自主性に任せているから、それを生かす進学指導を行っています。仮に私が『君は東大に受かる実力があるから、受験しなさい』なんて指導したら、生徒たちだけでなく担任の先生からも反発されるでしょうね。これも生徒の自主性を重んじる伝統なんです」という。

女子学院出身の東大文科1類の学生に聞くと、「別に東大になんて行かなくても、自分のやりたいことができる学校に行くという雰囲気です。東大に入る実力があっても京都大学や他の大学に進学した人もいましたし」という。

16年、女子学院から18人が京大に合格した。都内からではトップの実績で、「JGが京大志向になったのか」と話題を呼んだ。だが、鵜崎院長は「たまたまです。学校側が京大をすすめたわけではなく、何人かの生徒が示し合わせて受験したのでもない。それぞれ別のクラスの生徒でしたし、受験後に、あなたも受けていたのという感じでした。それぞれが自分で考えた末、京大を受験しただけです。実際、17年は京大合格者は5人になりましたしね」と話す。

喧噪から一転、礼拝では静寂

女子学院の生徒はとにかく活発で明るい。午後3時半をすぎて授業の後の終礼がおわると、とたんにグラウンドに飛び出し、テニスなどそれぞれの部活動が始まった。その掛け声は窓を閉めた院長室にもとどろくほど。「朝7時30分から自主的に朝練をやっていて、にぎやかですね。ただ、礼拝5分前の午前8時10分になると、礼拝に出席するため学校全体が静かになります。朝の礼拝の15分間は、心を静めて黙想する時間です」という。プロテスタントのキリスト教主義の学校として、毎朝の礼拝は欠かせない。チャイムが鳴ると、しばらくの静寂に包まれる。

喧噪(けんそう)から静寂、そして白熱した議論中心の授業、女子学院の生徒はメリハリをつけ、切りかえが早い。午後5時(夏季は午後5時半)の下校時刻になると、これまたアッという間にいなくなるという。高2まではクラブ活動や各委員会などを中心とする生徒も、高3の受験期になるとパッと切りかえ、受験モードに突入する。

女子学院の卒業生は様々な分野で活躍している。弁護士や医師、学者から女優、アナウンサー、漫画家など幅広い。医師でありながら、登山家でもある今井通子さんも卒業生だ。「様々なキャリアを模索する卒業生が少なくないですね。やはり個が強く、物おじしない生徒が多いので、どんどん挑戦していく」と鵜崎院長。自由な校風のなかで、自立心の強い女性が次々育っている。

(代慶達也)

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