「創業者に『お前が一番適性がなきゃ(社長を)代われ』と、しょっちゅう言われてきました」

「創業者は『食文化を世界に広げるだけでいいんだ。世界中でやれるやつがやればいい』と。だけど、『僕は社長だから、やらなきゃいかんのです』と言ったんだけど、『そんな、お前なんかのちっこいフンドシで、世界をくくろうと思っとるほうが、まちごうとる』と、言われましてね。私は即座に『辞めます』と言った。それから創業者も色々考えたと思います。しばらくたって『やっぱりお前やれ』と言ってくれたから、助かったけど。もうっちょっとでクビでした」

後継者はしつこい奴が一番

――徳隆氏にも創業者と同じような考え方で向き合っていくのですか。

「日清食品(ホールディングス)は上場会社ですから、公器なんですよ。ですから、やはり私物化はいかんと考えています。できる人間がやるのが一番です。僕は10歳のころから、会社の中を見てきたからいいけれども、まあ、徳隆の時代になると、そうじゃないからね。多くの試練がありますよ」

――後継者の条件はありますか。

「好奇心が強く、しつこい奴だな。やっぱり、なんでも、深く掘る奴。『なぜか、なぜか』と、なかなか納得しない人間です。しつこい奴が一番だね」

安藤宏基氏(あんどう・こうき)
1947年、大阪府生まれ。71年慶応義塾大学商学部卒、73年日清食品入社、85年日清食品(現日清食品ホールディングス)社長、持ち株会社制への移行で08年から現職。父は日清食品創業者で世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を開発した故安藤百福氏

(黒瀬泰斗 代慶達也)

前回掲載「『ヌードルで1兆やりますか』日清、世界に挑む」では、「2020年に時価総額1兆円企業」をめざす安藤氏に目標達成のための戦略を聞きました。

「リーダーのマネジメント論」は原則火曜日に掲載します。

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