夏休みと仕事の両立 日中にテレワークを
男女 ギャップを斬る(池田心豪)
わが家の小学生2人は夏休み真っただ中。親も毎年1週間は休暇を取って家族と過ごすことにしている。だが、のんびりしてばかりいられない。たいていは休暇中も何かしら仕事をしている。
実は小欄の原稿も休暇中に書いている。外出先に仕事のメールが入って返信することもある。かっこよく言えばテレワークだが、実態は夏休みの宿題に追われる子どもと違わないかもしれない。
わが子には心置きなく遊べるように宿題は夏休みの前半に終わらせようと毎年言っている。だが、今年もラストスパートすることになりそうだ。どうしても楽しいことが優先してしまう。
共働き家庭にとって夏休みの子どもの生活は頭の痛い問題である。勉強と遊びのけじめをつけて自己管理してくれたら苦労はないが、なかなかそうはいかない。下の保育園児2人が家にいるときはいつの間にか上の小学生も一緒に遊び始めている。学童保育に通っていない子どもが規則正しい生活をするために周りはどうしているのか知人に聞いてみると朝から塾に行かせているという。それなら学校で勉強すれば良いだろう。というようなことを思いつつ、仕事の合間になるべく家で子どもを見るようにしている。
ワーク・ライフ・バランス施策としてテレワークがたびたび話題になる。小学生がいる家庭は学期中も自宅で仕事ができたら便利だろう。政府もテレワークの普及に力を入れており、2013年閣議決定の「世界最先端IT国家創造宣言」工程表は「テレワーク導入企業数3倍(12年度比)」「雇用型在宅型テレワーカー数10%以上」などの目標を掲げている。
在宅勤務には仕事と私生活のけじめがつかなくなる危険がある。とはいえ、家にいたらついサボってしまう人は少ないだろう。それより家でも仕事に追われて働きすぎる懸念がある。深夜に家で仕事をする人もいるが、健康への影響が心配される。
在宅勤務といえば聞こえは良いが実態は持ち帰り残業ということでは奨励できない。その意味で在宅勤務は日中を基本とすることが望ましい。実際、熱帯夜よりも朝の涼しい時間の方が仕事ははかどる。この機会に試してみてはどうだろうか。夏は働き方を見直す季節である。
[日本経済新聞朝刊2016年8月20日付]
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