MONO TRENDY

モノ・フラッシュ

USB扇風機は「静かさ」と「置きやすさ」で選ぶ

日経トレンディネット

2016/8/14

USB扇風機は個性的な製品が多い。風量、サイズ、騒音、価格はバラバラだ。自分の使い方に合うものを選びたい
日経トレンディネット

暑さを乗り切るために扇風機が欲しいけれど、置き場所がないし電源確保も面倒。そんな場合に便利なのがUSB扇風機だ。文字通りUSBポートから電源を取る扇風機で、小型で2000円前後の安いものが多い。オフィスや自宅のちょっとした場所に置いて、夏を涼しく過ごせるアイテムだ。そんなUSB扇風機のなかから、店頭でよく見かける7機種を集めてみた。

■USB扇風機のポイントは風量と低騒音

選ぶポイントは、まず作り出す風の強さ・風量だ。これはUSB3.0対応のものや、二重反転羽根を採用したタイプが有利になる。しかし実際に机の上に置いて使うと、それほど強力な風でなくても十分涼しい。風が強いと身体が冷えすぎてしまう。

そこでまず自分の使い方を考えてみよう。自分のすぐそばに置いて使うなら風はそれほど強力でなくていい。ある程度離れた場所に置いて使うなら風が強力で遠くまで届きやすいものがいい。

次は騒音だ。周囲の音が大きい店頭では分かりにくいが、USB扇風機は騒音が大きくて気になる製品が多い。ファンが回転するときの風切り音、モーター音のほか、自動首振り機能がある製品ではその動作音にも注意したい。

そして使い勝手も重要だ。コンパクトなら机の上のちょっとしたスペースに置けるし、クリップ付きならつい立などに挟んで設置できて便利だ。自動的に左右を向いて風を送る自動首振り機能、上下にファンの向きを変える角度調整機能、ボタンやツマミで風量を調節できる機能もあると使いやすい。そして、価格も重要だ。2000円前後がメーンの価格帯になる。秋葉原や家電量販店の店頭でよく見かける7製品を集めて、こうした視点で比較してみた。

■風は強力、使い勝手も抜群!

【FAN-U39シリーズ】 エレコム 実売価格:2400円前後

エレコムの「FAN-U39シリーズ」。USB3.0専用扇風機で、台座部分がクリップになっていて使い勝手が良いのが特徴だ

USB3.0専用で大風量が特徴の扇風機。ファン径は130mmと大きめで風量は無段階で調整でき、最大にするとかなり強力な風を発生する。騒音は風を強くすると気になるが最弱にすればほとんど気にならず、これでも卓上で使うには十分な涼しさが確保できる。

使い勝手もいい。台座がクリップを兼ねていて、机に置いて使ったり、つい立などに挟んで使える。クリップの穴で壁のフックに引っ掛けて使うこともできるなど置き場所を選ばない。首振り機能はないが、ファンの部分は手動で360度回転できる。角度の調整幅も広いので、上下左右の広い範囲にファンを向けられる。

風が遠くまで届くタイプではないが、強力な風を起こすことも、静かに使うこともでき、取り付け場所を選ばない。万人向けのおすすめ扇風機だ。

風量はツマミで無段階で調整できる。電源ケーブルは片側がDCプラグになっているタイプで長さは約150cmと長い
台座はクリップになっていて、机の上に置くことも、机の縁やつい立に挟んで使うこともできる

■小さくても風が遠くまでよく届く

【USBデスクファン 9ZF001AZ03】 良品計画 実売価格:2150円

ファン部分の直径が約10cmというコンパクトさが特徴。電源ケーブルは直付けで長さは約100cm

無印良品のUSB扇風機。昨年も紹介した製品で、大きくモデルチェンジすることなく販売されているUSB扇風機の人気機種だ。前後に2つのファンがあり、後ろのファンで空気を吸い込み、前のファンで空気を送り出す仕組みが特徴だ。風は強力で遠くまで届きやすい。騒音は今回紹介している製品の中でも静かな方だ。風量は2段階で調節できる。自動首振り機能はないが上下の角度調節幅が広く、使い勝手は良好。シンプルでコンパクトなデザインも魅力で、ちょっとしたスペースに置いて使えるのも便利だ。

静かな扇風機が欲しい人、机の上が狭いのでコンパクトな扇風機が欲しい人、少し離れた場所に置いて使いたいので遠くまで風が届きやすい扇風機が欲しい人などに向いている。一回り大きいサイズで自動首振り機能を備えたモデルもある。

ファンの角度は、真正面から上向き約30度ぐらいまで傾けられる
風量は前面のツマミで2段階で調整できる。強い方にすると騒音は大きくなるが、遠くまで風が届きやすくなる

■羽根に触れても大丈夫。安くて静かな扇風機

【FAN-U34WH】 エレコム 実売価格:1300円前後

シンプルなデザインのエレコム「FAN-U34WH」。価格は安いが静かで実用性の高い扇風機だ

首の部分がフレキシブルで、自由に曲げて角度や向きを調整できるのが特徴の扇風機。羽根はむきだしだが、柔らかい素材なので回転中に指が触れてもほとんど痛くない。風量は前面のツマミで調節できる。ただし最大にすると騒音も大きくなるので、机の上で使うなら最小~中くらいで使うのがおすすめだ。これでも十分に涼しい。音は静かで、風力を弱めにするとほとんど気にならない。

首振り機能はないが、首がフレキシブルなので角度の調整幅は広い。またコンパクトで置き場所を取らず、使い勝手はよい。USBケーブルは直付けで約150cmと長いため、パソコンやACアダプターから離して使える。1300円前後と安いのも魅力だ。安くて静かな扇風機がほしい人、小さい子供がいて安全な扇風機が欲しい人、コンパクトで設置場所を取らない扇風機が欲しい人におすすめだ。

首の部分はフレキシブルで、手で曲げて角度調整が可能。ただし曲げすぎると首の重さで倒れてしまうので注意
羽根はスポンジのようなやわらかい素材でできている。回転中に触れてもほとんど痛くない

■レトロデザインと使い勝手のよさが魅力

【FAN-U36シリーズ】 エレコム 実売価格:1900円前後

エレコム「FAN-U36BU」。昔の扇風機のミニチュアのようなデザインだが、静かで首振り機能もついた本格派だ

昭和時代の扇風機のような、レトロデザインが特徴のUSB扇風機。風量は前面のスイッチで2段階で調整できる。弱くすると音は静かでやや気になる程度。これでもかなりの風量があり、机の上で使うには十分涼しい風が得られる。首振り機能をオンにしてもそれほど音は変わらず静かに使えるのもよいところだ。

コンパクトなサイズで置き場所はあまり取らずに済む。自動首振り機能があるほか角度調整幅が広く、90度真上を向かせることも、20度ほど下向きにすることもできる。ケーブルは本体に直付けで、長さは実測で約115cmほど。レトロデザインのUSB扇風機は多く見かけるが、それらの中でもコンパクトで機能のそろった製品だ。特に、首振り機能付きで角度調整幅の広い扇風機が欲しい人に向いている。

背面までレトロ風のデザインで、首振り機能は昔の扇風機のようにモーターの上にあるツマミを引っ張ることでオン・オフする
角度調整幅は広く、真上に向けることもできる。首振り機能と合わせて広範囲に風を送ることができる

■静かさNo.1の5枚羽根扇風機

【USB-TOY80W】 サンワサプライ 実売価格:2300円前後

サンワサプライの「USB-TOY80W」。5枚羽根で静かなのが特徴。黒いモデルもある

エレコムのFAN-U39シリーズに似ているが、こちらはクリップではなく普通の台座がついている製品だ。ファンの羽根の数も違っていてこちらは5枚羽根だ。風量はダイヤルで無段階で調整でき、最強にするとかなり強力な風を起こせる。音は静かで、特に風量を最小にするとほとんど気にならなくなり、今回紹介している製品の中では一番静かだった。

使い勝手はまずまずといったところだ。首振り機能はないが、上下の角度調整幅は広く、90度真上に向けて天井に空気を送れる。ケーブルの長さは約105cmと短め。静かさを重視する人におすすめだが、空調の空気をかきまぜるサーキュレーターとしても使いやすそうな製品だ。

角度調整幅が広く、真上に向けて使うことができる
風量は大きいツマミで無段階で調整できる

■風も遠くまでよく届く2重反転羽根モデル

【卓上扇風機 SDF-129】 siroca 実売価格:2900円前後

sirocaの「卓上扇風機 SDF-129」。多機能で操作しやすく、ACアダプターが付属する

前後に羽根のある、2重反転羽根タイプの扇風機。良品計画の「9ZF001AZ03」より一回り大きく、首振り機能がついているのが大きな違いだ。風量は3段階で調整でき、最強にしてもそれほど強力な風にはならないが、遠くまで届きやすい。騒音は少し残念なところで、風切り音は静かでほとんど気にならないが、モーターの動作音がやや気になった。操作ボタンが前面に集中していて、使い勝手は良好だ。

ケーブルのほかに0.5A出力のACアダプターが付属し、パソコンやACアダプターを用意しなくてもこのパッケージだけで利用できるのは便利なところ。モーター音が気にならなければ、おすすめの製品だ。首振り機能のついたコンパクトな扇風機が欲しい人、風が遠くまで届きやすいことを生かして部屋全体に風を送りたい人に向いている。

ファン部分の角度は正面から約30度斜め上まで調整可能だ
前面に風量、電源、首振り機能のボタンがまとまっていて操作性が良い

■とにかく安い300円扇風機

【USBスタンドファン】 ダイソー 実売価格:300円

ダイソーの「USBスタンドファン -風車型-」。300円で買えるUSB扇風機だ

ダイソーのUSB扇風機で、300円という驚異的な安さが特徴だ。組み立て式で羽根は自分で取り付ける。USB電源のほかにアルカリ単4形乾電池3本でも駆動できる。羽根は柔らかい素材でできていて、回転中に触れても痛くない。浅い角度がついているが、自分で羽根を折り曲げることで風量を調節できる。騒音は大きめで、車のプラモデルのモーターのような音と匂いがする。

首の部分は固い棒でフレキシブルではなく、角度調整はできない。またモーターの入った部分が重いため、少し後ろに傾けると羽根の風力でそのまま後ろに倒れやすいが、電池を入れて台座を重くすると安定して設置できる。難点もあり使い勝手は良好とはいえないが、300円という圧倒的な安さですべてを許せる製品だ。騒音を気にせずとにかく安いものがいいという人に向いている。

組み立て式で、本体、羽根、電源ケーブルが入っている
羽根を折り曲げて風量を調整できる。うまく調整すればかなりの風量が出せる

■風量、静かさ、使い勝手の総合力で選ぶならどれ?

風量と静かさだけでなく、設置の自由度や操作性といった使い勝手も含めて評価したのは、紹介した7機種を実際に使ってみると、設置場所や風の向きの調整に困ることが多かったからだ。これらの総合力でおすすめなのは、エレコムの「FAN-U39シリーズ」だ。USB扇風機としては大型だが、クリップ付きの台座で色々な場所に設置できる。風量をしぼれば非常に静かで、その状態でも十分涼しかった。

定番機種になっている良品計画の「USBデスクファン 9ZF001AZ03」、エレコムの「FAN-U34WH」もおすすめだ。「USBデスクファン 9ZF001AZ03」は風が遠くまでよく届き、コンパクトで置き場所を選ばない。「FAN-U34WH」は風量はそれほどではないが、静かでコンパクト、かつ安い。

少し惜しいのはサンワサプライの「USB-TOY80W」だ。風量を絞ると7製品の中で一番静かで、静かさだけで選ぶなら一押しだ。しかし大型で机の上だと置き場所を探すのに苦労した。sirocaの「卓上扇風機 SDF-129」は使い勝手は優れているが、騒音がやや気になった。エレコムの「FAN-U36BU」も使い勝手は優秀だが、おすすめの3モデルに比べると騒音がやや気になった。

(IT・家電ジャーナリスト 湯浅英夫)

[日経トレンディネット 2016年8月2日付の記事を再構成]

MONO TRENDY 新着記事

MONO TRENDY 注目トピックス
日経クロストレンド
大手ジムが「有料オンラインレッスン」に注力する理
日経クロストレンド
アップル、4年半越し悲願 腕時計「常時点灯」の真意
日経クロストレンド
ANAも参入 「5G+分身ロボット」でビジネス変革
日経クロストレンド
花王が洗顔シートで王者を逆転 敵の弱点を徹底訴求
ALL CHANNEL