「何を食べるかよりも大事なのは誰と食べるかだ」

10月18日土曜日午前9時45分、東京駅21番線ホームに全員集合。きょうは「真打ち競演」（NHKラジオ）の収録です。出演は、ケーシー高峰さん、ひびきわたるさん、コント山口君と竹田君のご両人、柳家喬太郎師匠、テツandトモのお二人。それに唯一初出演の私。山形県大江町（おおえまち）で公開収録をして山形駅前で1泊という行程です。

同じ落語家の喬太郎師匠とは何度もご一緒させていただいていますが、それ以外はどなたともふたことみことご挨拶したことがある程度。一時代を築き、さらに今なお第一線で活躍する方々と席を並べるのは、光栄のひとことです。

我々をさわやかな笑顔で迎えるNHKのみなさんは全員スーツ姿です。どうかすると人間国宝クラスを扱うわけですから、常に失礼がないためのスタイルなのでしょう。納得！

山形駅に到着して、一同が小型バスに乗り込んで山形駅から大江町までの小一時間。これが混沌と爆笑のひとときでした。

バスの後部座席には御大ケーシーさん。すぐ前に竹田さん。横になぜか私、前にトモさん。

竹田さんが無邪気にケーシーさんに話を振るのがベースで、ケーシーさんがお得意のわい談を頻発する展開です。

ときには竹田さんが振ってケーシーさんが戻す。そこで竹田さんはトモさんにむちゃ振りして、慌てるトモさんを前方から山口さんがナイスセーブで拾って竹田さんに返す。盛り上がりきったオチを決めるべく、竹田さんが勢い込んで大いにスベって一同大爆笑！みたいなw。とにかく笑った笑った。

そして山並みが迫った頃合いにふとケーシーさんが「ん？　マツタケのにおいか」と。マツタケらしき匂いがかすかですが確かに香っています。みんなが「そうだそうだ、マツタケの匂いだ！」と騒然として車窓から山を見上げたりしてたら、「あ。この匂いかな？」。なんと山口さんが喉に吹き付けたプロポリスが匂いの元でした。ヤニっぽい香りはそっちかー！と、それでまた大笑い。

大江町体育センターでの番組収録は大成功のうちに終わりました。熱心で温かいお客様と、迎えるのが熟練の芸人さんたちなので当然ではあります。NHKさんの準備も盤石でした。

終演後、山形駅前に戻ってからの打ち上げがこれまた楽しかったーーー！　こじんまりとした居酒屋さんの小上がりで軽くみんなで乾杯です。すべて地元産を使用したという料理は、菊のおひたし、焼き秋ザケ、ふろふき大根、漬物などなど。郷土料理が並ぶ中でひときわおいしかったのが芋煮です。一口汁をすするなり誰もが「おおー！」「うまいー！」と声を上げて驚嘆しました。

つねづね山形出身者から「芋煮」の存在を聞かされてはいました。「河原に集まってみんなで楽しくワイワイ……」。私は、北海道の郷土料理ジンギスカンと同じように（屋外でみんなと食べることで、花見のようにイベントとして楽しいってこと？）程度に理解していたのですが、これはある意味正しかったし、ある意味間違ってました。

確かに楽しい人たちと集まって食べるのは、いっそうおいしい！　ただし、室内でも底抜けに楽しい！！！

芋煮を突きつつ、超先輩芸人のひびきわたるさんから宝石のような話をたくさんうかがいました（聞き手は喬太郎師匠ですw）。その時しみじみ思い出した言葉があります。

「何を食べるかは大事だが、もっと大事なのは誰と食べるかだ」

山形のおいしいものを素敵な皆さんと共に頂いたこの日のことを、私は忘れません。

（次回は11月5日に掲載予定です）