2次会カラオケ、どんと来い アプリでこっそり特訓
採点機能でチェック
「参加者の年代が幅広いのでみんなが知っている曲を歌いたい」という人から人気のアプリはエクシング(名古屋市)が提供する「カシレボ!JOYSOUND」だ。アプリを起動すると「ジャンル」が表示され、今人気の曲が表示される。検索で調べることもできる。YouTubeを聞きながら歌詞を見られるので、久しぶりに歌うという曲でも、記憶の曖昧な部分を補いながら歌うことができる。
カラオケボックスのように採点と音程のチェックをしたい人には同社の有料サービス「カラオケJOYSOUND+(プラス)」もある。月300円で約12万の登録曲が歌い放題になる。企画開発部の本吉幸太チーフディレクターによると「仲間と出かけるカラオケ店で本番前にこっそり練習したい10代や20代のニーズが高い」という。
自分のスマートフォン(スマホ)に入っているあまり知られていない曲を、歌詞を確認しながら練習したいという人には歌詞データが約110万曲以上(2015年1月末時点)ある「プチリリ」がおすすめだ。アプリを立ち上げると自分のスマホに入っている曲が表示される。タップして曲を選ぶと曲名、アーティスト名などを基に歌詞がインターネット経由で自動的に検索される仕組みだ。
歌詞データはアプリを開発するシンクパワー(東京・千代田)が作成する月1000曲以上のデータに加え、同社の別アプリ「プチリリメーカー」を使ってユーザーが投稿する歌詞が月6000曲以上もあるのが特徴。同じ楽曲でも、ジャズバージョンなど異なるアレンジの曲を歌いたいとき、「プチリリメーカー」を使ってアレンジにタイミングを合わせた歌詞を自分で投稿することもできる。
冨田雅和社長は「音楽をCDではなく配信サービスで聞くようになり、歌詞カードを持たないリスナーが増えた。だから歌詞を知りたいというニーズが増えたのでは」と語る。
手軽なストレス解消
同様にスマホに入った音源を使い歌うサービスとしては、UX-DESIGN TOKYO(茨城県牛久市)が開発した「うたスマ」がある。元の音源と実際に歌う自分の声のずれをスマホが感知し、ずれの量をもとに採点もできる。「育児中など、なかなか外出できない人のストレス発散に活用されているようだ」(石田雄高社長)
カラオケの域を超え、国境を越えて合奏できるアプリもある。nana music(東京・渋谷)の「nana(ナナ)」だ。アプリを開くと今この瞬間にユーザーが録音し、登録しているデータが画面に並ぶ。自分の演奏を新規で登録したいときは「録音」ボタンを押して登録すると音源が表示される。
別のユーザーの演奏に参加したいときは、曲を選び「コラボ」を選択すると重ね録りができ、合唱や合奏が楽しめる。
nanaは登録した音源を非公開にする機能がない。同じ曲を何度も投稿し、上達していく様子を記録するユーザーもいる。「登録される音源は1日に平均で2万曲ほどで、海外からの利用も3~4割ある。ユーザーから反応をもらえるので励みになっているようだ」と文原明臣最高経営責任者(CEO)は語る。
「プチリリ」は画面を横にすると自分のスマホに入っている画像を背景にスライドショーで楽しみながら歌うこともできる。プロジェクターなどにつなぎ、送別会や結婚式の2次会などで思い出の写真を見ながらみんなで曲を歌うことも可能だ。気持ちよく大きな声を出してはいかがだろう。
(電子報道部 松本千恵)
[日本経済新聞夕刊2015年3月5日付]
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