地方の商業施設にも出店し、顧客の裾野を広げていった。広島県内に出店した店舗は、売上高が好調に推移。かつてはファッションを楽しんでいたけれど、子供が生まれて、価格帯の高い衣料品は買いにくくなった30代前半の主婦の心をつかんだ。
店舗の大型化で衣料品と雑貨以外の品ぞろえを増やす
今後、取り組むのが店舗の大型化だ。村上氏は「顧客に商品を選ぶ楽しさを味わってもらうには、店舗の大型化が必要」と語る。国内では約150店を展開するが、店舗数はこれ以上増やさない方針だという。
80坪(260平方メートル強)程度の小型店では、品ぞろえが衣料品と雑貨に限られてしまうため、今後は200坪(660平方メートル)程度に拡張することを検討する。インターネット通販に関しても販売員が中心になりながら、SNSを通じてファンづくりを進めてゆく考えだ。
6月には住宅会社のLib Work(リブワーク)と共同で、商業施設に設けるモデルハウスのデザインを行うなど、BtoBの新しいビジネスもスタートした。既存の枠組みにとらわれず、挑戦を続けることで、成長を維持しようとしている。
(淡海美帆)
ニコアンドはライフスタイル業を目指し、2007年にスタートしたブランド。25~35歳の男女が主なターゲットで、アパレルでは男性向けの人気が高まっている。19年12月には中国・上海に旗艦店をオープンした。
[日経MJ 2020年9月4日付]
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