やめたくてもやめられない… 体と心で探る禁煙ニコチン徐々に抑制、やめた自分をイメージ

たばこをやめたくてもやめられないのがニコチン依存症だ。吸い始めた年齢が若いほど依存症になるケースが多いという。国は20代のニコチン依存症患者の禁煙治療の支援拡大を検討しており、喫煙が原因の医療費増大に歯止めをかけたい考えだ。4月から新年度が始まるのをきっかけに、禁煙に挑戦する人もいるはず。途中で諦めず、効果的に禁煙する方法を探った。

ニコチンの依存度は禁煙外来の依存度テストで10項目中5項目が当てはまると判定される。国内の喫煙率は男女合わせて約20%で、10年前と比べてもほぼ横ばいだ。約7割がニコチン依存症で何度か禁煙を試みても挫折してしまう。日本禁煙学会(東京・新宿)理事長の作田学医師は「アルコール依存症やコカインなどのドラッグ中毒と同じと考えていい。依存症の傾向がある人は、勤務中でも我慢できずに吸ってしまう」と話す。

ニコチンは肺から急速に吸収され、6~7秒で脳に達する。脳は快感や幸福感をもたらすドーパミンと呼ぶ物質をつくる。ニコチンは脳に対し、ドーパミンを過剰に出すよう働きかける。依存症になると、血液中のニコチン量が減るたびに快感を求めてニコチンを欲しがるという。

何度も繰り返すうちにニコチンがないとイライラや落ち着かないなどの禁断症状が表れる。ニコチン依存症の一つ、身体的依存だ。たばこを吸うと頭がすっきりし、リラックスできると感じたら身体的依存を疑ってみた方がいい。

一方、心理的依存もある。いつもの喫煙場所に行くと欲しくなったり、食後に吸いたくなったりするのは心理的依存の症状だ。

ニコチン依存症から抜け出すには、身体的依存と心理的依存を克服する必要がある。作田医師は「身体的依存は禁煙すれば3カ月でなくなる。ただ、心理的依存は一生続く。癖や習慣が直りにくいのと同じだ」と語る。禁煙に挑戦してもまた吸ってしまうのは心理的依存の影響が大きい。

効果的な禁煙方法はないのか。禁煙外来を開く中央内科クリニック(東京・中央)の村松弘康院長は「依存症の人が自力でたばこをやめるのは難しい。禁煙外来を受診するのが得策だ」と話す。

村松院長は「体の中でニコチンが急に増えたり減ったりするのが依存症になりやすい条件」と説明する。急激な変動を徐々に和らげる方法が効果的だ。禁煙ではなく「卒煙」の気持ちが大切という。

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