冬の便秘や風邪 自律神経の乱れが原因かも夕食後に歩くのも手

寒さが増してきたが、この時期に便通が悪くなる、すぐ風邪を引いてしまうと悩んでいる人もいるだろう。こうした場合、体の様々な機能を無意識に調節する「自律神経」の乱れが関係している可能性もある。自律神経は緊張とリラックスをもたらす2種類からなる。これらのバランスをうまく保つことが健康維持に欠かせないと専門家は強調している。

自律神経は呼吸や心臓の動き、血液の流れ、食べ物の消化、体温などを制御している。「特に意識しなくても自然に活動し、自分の意思でコントロールできない」(大阪大学の三原雅史特任助教)ので、その名が付いている。脳の視床下部を起点に脊髄を通って、手足の先まで全身にくまなくはりめぐらされている。

自律神経のうち、活動しているときや興奮・緊張するときに強く働くのが「交感神経」だ。自動車のアクセルのようなイメージで、活発に働くと血管が収縮し、心拍数や血圧が上がる。これに対し、休息やリラックス時、睡眠の際に強く働くのが「副交感神経」で、ブレーキのような役割を果たす。活発化すると小腸や大腸が盛んに働く。

両者はシーソーのようにバランスを取りながら健康を保っている。交感神経は午前中に、副交感神経は夕方から夜にかけてそれぞれ活発化することが知られている。

ただ寒さや暑さ、ストレス、生活習慣の乱れなどの影響でバランスが崩れることがある。「低温で乾燥した冬は、血管を収縮させようとして交感神経の働きが活発化する」と順天堂大学の小林弘幸教授は指摘する。副交感神経の働きが下がり、小腸や大腸の筋肉が収縮を繰り返す「ぜん動運動」が低調になるという。この状態になると、便秘になりやすくなる。暖房が効いた室内と屋外との気温差が大きいことも、自律神経のバランスを崩す一因になる。

冬に起こりやすい心筋梗塞や脳梗塞も、交感神経との関連が指摘される。寒いと血管が収縮して血圧が上がりやすくなるためだ。また、自律神経のバランス悪化は病原体などから身を守る免疫システムにも影響を与えてしまう。交感神経が優位な状態が続くと、体内でつくられるリンパ球が減り、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなるという。

■副交感神経、活発に

アンバランスを解消するには、副交感神経の働きを活発化させることが大切だ。小林教授が強調するのが、十分に睡眠を取ることだ。「自律神経のバランスを整えると、病気になるリスクを減らせる」と訴える。夜遅くまで仕事をしたり遊んだりしていると、交感神経が刺激され続け、副交感神経の活動が上がらないまま朝を迎えることになってしまう。

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