40歳過ぎたら眼科検診を 意外と多い緑内障の発見放置すると失明も

目を開ければいつもの風景が見える。当たり前だと思っている「見える」を脅かす病気は気づかないうちに進行することが多い。その多くは眼科検診を定期的に受ければ早く発見でき、治療を始められるものだ。特に40歳をすぎたら、ぜひ1年に1回、眼科検診を受けておきたい。

横浜市のAさん(69)は5年前、かかりつけの眼科を受診した。「これはおかしい」と担当医が発見したのは「網膜裂孔」という病気。眼球の中の網膜に穴が開く症状で、病気が進行すると穴を中心に網膜がはがれる「網膜剥離」に進行し失明の可能性もある。

自覚症状は何もなかった。すぐにレーザー治療を受けた。「気づかず放置していたらと思うとぞっとした。あのとき検診を受けてよかった」と振り返る。

眼科検診は、勤務先の健康診断の視力検査程度という人も多いのでは。しかし年齢を重ねると視力検査だけでは不十分。それなのに、日本人は眼科検診への関心度が目立って低いというデータがある。

ジョンソン・エンド・ジョンソンが2008年に実施した「世界13カ国における眼科検診の実態調査」によると、目の状態が良くないと感じている日本人は5割以上。目のトラブルを経験した人は9割を超えたが「包括的眼科検診を全く受けたことがない」と回答した人は72%にのぼった。これは他の先進国に比べて際立って高い数値だった。

■「自覚なし」多く

「視力のチェックに来た人に緑内障が見つかるといったケースは少なくない」と話すのは駒沢なんば眼科(東京都世田谷区)の院長、難波龍人さんだ。

「目は2つあり、片方が不調でも反対側の目がカバーする。脳も見えない部分を補正してくれるので、病気を自覚しにくい」と難波さんは指摘する。

例えば緑内障を例にみてみよう。視神経に障害が出て視野が狭くなる病気だが、実際は視野がかなり欠けても気づかない人がいる。眼圧(眼球内の圧力)が上昇し痛みを感じて受診するケースもあるが、最近は正常眼圧の緑内障が増えている。このため「検診で初めて発見できた患者が多い」と難波さん。患者は40歳以上の20人に1人。日本人の失明原因トップの緑内障は実に見つけにくい病気だ。

最近増加が指摘されている加齢黄斑変性も気づかないうちに進行することが多い。網膜のなかで、ものを見る中心となる黄斑に加齢によって変化がおき、ものがゆがんで見えるほか、視野の欠損、視力低下がおきる。東京スカイツリーのような細長いものがぐにゃっと曲がって見えるようになるのだが「それでも気づかない人も多い」(難波さん)。

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