夏に食べたい冷やしめん
何でもランキング
コシ強くのど越し滑らか
暦の上ではもう秋だが、真夏の日差しが照りつけ、暑い日が続く。食欲がないときは、つるりとした冷たいめんがおいしい。通信販売で扱うめんとつゆのセット商品を専門家が食べ比べ、冷やして食べるのにおすすめの商品を選んだ。
猛暑を受けて、小売店や飲食店でも冷やしめんが売れている。高級スーパーの紀ノ国屋では、そうめんなど冷やして食べるめん・つゆの販売が昨年より1~2割増加。大手外食チェーンでも、ざるうどんや冷めん、冷製パスタなどの注文が昨年に比べて2~3割増えているという。人気の高いのが、もちもちの食感を味わえる弾力性のあるめん。ランキングで上位となっためんも、大半が強い粘りとコシを特徴としている。
1位と8位に入った稲庭うどんもその一つ。普通のうどんと比べて細い乾めんタイプだが、ゆで上がりの歯ごたえはしっかりしており、見た目もつややか。稲庭うどんは機械で作るところもあるが、この2商品はともに江戸時代から伝わる手作りを守っており「職人芸の味わい」(うどん研究家の蓮見寿さん)。
粉の違いでコシを強めているのは、3位のそうめんや5位の冷めん。3位の商品に使っている小麦粉「はるゆたか」は粘りと弾力が非常に強い品種。5位の冷めんは、本場の朝鮮半島ではそば粉と小麦粉を合わせるところを、盛岡市ではそば粉の代わりにジャガイモのでんぷんを使い、よりつるりとしたかみ応えのあるめんを生み出している。
生地に別の素材を混ぜ込んで個性を出しているのが、4位のそうめんや7位のうどん。ゴマや磯の香りが食欲をそそる。
めんは調理が簡単で手早く作れる点も魅力だが、栄養バランスには気をつけたい。「キュウリやトマトなどを添えたり、ミョウガやネギなど薬味をたっぷりのせれば食欲増進に効果的」(料理研究家のこばやしあつこさん)だ。
添付つゆ、煮付けに転用も
添付つゆは好みで味を調節できるように多めに入っている場合が多い。余ったうまみたっぷりのつゆは、卵かけご飯や煮付け料理などにも使える。
4位「手延べ黒ごま麺」と7位「五島手延べうどん(磯乾麺)」には、長崎名産のトビウオ(アゴ)のだしのスープが付いている。4位のめんつゆは「天つゆ、おでん、冷ややっこに最適」(山一)、7位のスープは「ご飯に入れて炊くと香り高い長崎名物のアゴ飯が簡単にできる」(うまか食品)。
6位「半生うどん」の生じょうゆなど、うどん系のつゆは「卵かけご飯や魚の煮付けにぴったり」(南清貴さん)。10位「冷やし汁なし担担麺」のピリ辛肉みそは「肉に存在感があるので、ご飯にも合う」(畔田さん)。
調査の方法 大手通販サイトや百貨店の売れ筋、専門家の推薦をもとに、つゆとセット販売する21商品を候補に選出。商品名を伏せて専門家に試食して選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
畔田隆弘(伊勢丹食品営業部シェフズセレクションバイヤー)▽こばやしあつこ(料理研究家)▽小林孝充(食ジャーナリスト)▽小松雅美(セブン&アイ・フードシステムズレストラン事業部レストランマーチャンダイジング統括マネジャー)▽坂井睦生(紀ノ国屋商品課課長)▽蓮見寿(うどん研究家)▽はんつ遠藤(フードジャーナリスト)▽町田成一(雑誌「dancyu」編集長)▽南清貴(フードプロデューサー)▽山村誠(日本コナモン協会東京支部長)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。