ハイキングにおすすめの高原
何でもランキング
湿原・花の表情 楽しむ
暑い日が多い今年の夏。高原に出かけ、涼しい風が吹き抜けるなか、雄大な景色を眺めるのも楽しそうだ。家族でハイキングするのにおすすめの高原を専門家に選んでもらった。
高原に明確な定義はないものの、一般には標高数百メートル以上で起伏の少ない台地を指す。ただ、標高が高いほど平地とは違った自然景観を楽しめるため、ランキングでは上位10位まで、高い山々が多い中部エリア以東の高原が並んだ。
高原の魅力は、本格的な登山に比べて、手軽に自然の様々な表情に触れられる点だ。1位の尾瀬ケ原は山や湿原はもとより、滝や沼、シラカバの木々などを見ることができる。2位の磐梯高原は点在する沼の多彩な姿が楽しめる。
高原は高山植物の宝庫でもある。一面に咲くミズバショウやニッコウキスゲは大半の高原で盛りを過ぎたが、8月に花をつける植物も多い。「冬に雪が積もるので背が低い植物が目立つ。厳しい環境に耐え、花の色が濃いのも特徴」(日本高山植物保護協会の中村光吉さん)
携帯できる小型の図鑑を片手に歩くと発見の連続だ。花の種類を見分けるポイントは「花だけでなく、岩場なのか、低木の下なのかなど咲いている場所にある」(中村さん)という。珍しい植物を見かけたら写真撮影はいいが、思ったよりもデリケートなので傷つけないように注意しよう。
高原は涼しいが、油断は禁物。遮るものがないところが多く、直射日光を受けやすいため熱中症対策は必須だ。「スポーツドリンクなどで水分と同時に塩分も補給して」(日本山岳協会の尾形好雄さん)
「帽子をかぶり、日焼けや虫よけ対策もしっかりして出かける」(「新ハイキング」編集長の竹田賢一さん)。昼と朝夕の気温差が大きく天候も変わりやすいので、薄手のフリースや雨具などもあると安心だ。
大分の久住高原、観光コース豊富
10位内には入らなかったが、近畿以西の高原を推す声も少なくない。
その中で最も人気なのが久住高原。ぶらりと歩けるコースから登山コースまで様々な楽しみ方ができる。「近くに花公園や牧場、温泉もある」(稲葉さん)。花公園では8月、サルビアやケイトウが見ごろ。
中国地方では蒜山高原を推す声も。サイクリング専用道もあり「遊園地などのレジャー施設や祭りや催しも充実している」(竹田さん)。
調査の方法 旅行ガイドなどで高原として取り上げられている全国の高原144カ所を対象に、景色や観光を楽しみながら、家族でハイキングをするのにおすすめの高原を選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)。
稲葉教之(日本旅行グループ事業部マネージャー)▽宇田川敦史(楽天トラベルマーケティング部ユーザマーケティンググループ)▽尾形好雄(日本山岳協会事務局長)▽関良一(親子山教室代表)▽竹田賢一(雑誌「新ハイキング」編集長)▽浪間美奈希(クラブツーリズム企画責任者)▽早川晃生(アトラストレック)▽深見賢一(日本ウオーキング協会センター長)▽村上真一(実業之日本社国内版ブルーガイド出版部)▽山本豊(近畿日本ツーリスト国内旅行部)▽吉田宗重(JTBガイアレック商品企画担当)
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