解決したい家事の困りごと
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節約志向で洗濯に関心
便利な道具や機械の進歩で家事はかなり楽になったが、どうしたらよいか悩むことも多い。成人の既婚者のうち、家庭の中で主に家事を担っている人を対象に、解決したいと思っている家事の困りごとを尋ねた。節約志向の高まりと、共働き世帯の増加に関連した項目が上位に入った。
1位は「長く保管した衣類の黄ばみを取る」だった。クリーニング代を節約し、洋服の購入を控えるためにも、自分の手で衣類をきれいにしたいという気持ちが高まっている。1位を含め、洗濯・衣類関連が上位10項目中、4つを占めた。
解決策は次ページの表の通りだが、黄ばんだり、においが付いてから取るよりも、日ごろきちんと洗っておくことが重要だ。といっても、手間が何倍にもなるわけではない。生活研究家・消費生活アドバイザーの阿部絢子さんは「日々の洗濯の際に少し待つのがコツ」と話す。
普段の洗濯では、衣類と洗剤を洗濯機に入れ、ときに漂白剤も加えたら、すぐに洗濯機を回してしまいがち。だが、そこで少し時間を置いて回せば、酵素入り洗剤や漂白剤などの効果を十分引き出せて頑固な汚れに対抗できるという。
同じ節約関連では、8位に「弁当箱のパッキンの黒カビを取る」も入った。ランチ代を削るため弁当を持っていく人が増え、それだけ弁当箱の汚れが気になる人が増えているのだろう。
共働きの増加と関係ありそうなのが、ごみ関連の悩み。住宅の機密性が高まったことに加え、家を空けることが多くなり、2位のコバエや7位のにおいが部屋にこもりやすくなっているようだ。実際、昼間家にいないことが多い若者を中心に「家のにおいを気にする人が増えている」(花王)という。極力水を切り、アルコール消毒をするなど予防が最大の対処法だ。
もちろん、例示した解決策は万能ではない。やり過ぎると対象物を傷めることもあるので、注意しよう。
調査の方法 まず日経生活モニターへの事前調査と家事専門家の協力で、多くの人が困っている家事の悩みを30項目のリストにまとめた。調査会社のマクロミルを通じて7月中旬に調査した。
対象は20~60代の既婚の男女のうち「家事を主に担っている」と答えた1030人(うち男性は8%)。用意した30項目について解決法を知っているかどうか聞き、「知らない」と答えた項目について、対処法を知りたいか、最も知りたいものはどれかなどを尋ねた。
お隣のお掃除事情
トイレは4人に1人が「週1回」、浴室は「換気だけ毎日」が半数
普段の掃除に人はどのくらい手をかけているのか。悩みの多いトイレ掃除の頻度と浴室掃除の度合いについても聞いてみた。毎日のようにまめにする人は少数派だった。
トイレ掃除は「週に1回程度」と答えた人が最も多く、4人に1人。「2回程度」と合わせるとほぼ半数の人が週に1、2回程度の掃除をしていることがわかった。
一方、カビや水あかの悩みが数多く寄せられた浴室について、日々の掃除では「換気だけはする」人がほぼ半数。「何もしない(毎日はしない)」人と合わせると、6割を超えた。
カビ対策には水分や洗剤の飛沫(ひまつ)のふき取りが基本だが、半数以上の人が水分を浴室に残したままにしている。わかっているが、そのひと手間がかけられない。黒カビや水あかは小さなサボりが積み重なった結果ということらしい。目に見えないカビもあるので、手入れはこまめにすることが大切だ。
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