海外需要開拓支援機構・太田伸之社長(60歳) 1953年三重県生まれ。77年明治大学経営学部卒、ジャーナリストとして渡米。85年東京ファッションデザイナー協議会事務局長、2000年イッセイミヤケ社長、06年日本ファッション・ウィーク(JFW)推進機構理事、11年松屋常務

株式会社「海外需要開拓支援機構」(クールジャパン推進機構)の社長に就任した太田伸之氏に今後の展望と抱負を聞いた。

――社長就任を決意した理由は

「昨年から知人を介してしきりに勧められたが、他の人の方が適任だと断っていた。でも、今年8月に正式に経済産業省から打診があり、そこまで自分を見込んでもらえるのならとお引き受けすることにした。これまでファッションビジネスを通じて海外に出掛ける機会は多かったが、日本文化は海外で買いたたかれる嫌いがある。日本をもっと高く売りたい。海外の買い手に言われるがままに値段を下げてしまうのではなく、しっかりと儲かる商売をしたい。日本人がプライドを持って海外で商売ができる土壌をつくりたい。そのための一助になれればと思う」

――どんな企業を支援したいか

「国際基準で見て、素晴らしい製品やサービスを手がけている中小企業が地方にたくさんある。地方からジワジワと日本全国に販路を広げ、ようやく海外市場に出るというだけでなく、地方から一気に海外市場に打って出るのもいい。海外で健闘している企業も多いが、バラバラで出て行くだけではなかなか勝てない。まとまって攻めればもっと成功する事例が増えるのではないか。そのための器づくりをしたい。最近は食のブランドへの信頼が揺らいでいるが、個人的には食の分野にも大いに可能性があると感じる。既存の枠にとらわれずに時代の先駆けになるようなやる気のある企業を応援したい」

――支援の方法の基準は

「民間のファンドは短期的な利益を重視する傾向が大きい。我々は官民ファンドなのだから、じっくりと腰を落ち着けて支援したい。中長期的な視点から、できるだけ息の長い支援をすることが大切。3年で結果が出るような案件もあれば、10~20年で結果が出るような案件もあるだろう。中途半端な支援で木が枯れてしまったら意味がない。水や肥料をじっくりやって幹を太らせる。企業側からの申請を待つだけではなく、機構側から企業側に積極的に仕掛けるような投資案件も手がけたい。そのためには先見性を見抜く眼力が求められる」

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