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歴史博士

「中国の本質は何か」 歴史から読み解く10冊

2013/11/10

2012年9月の反日デモ以来、日本では「中国の本質は何か」を歴史的にとらえ直す著作が相次いでいる。共産党の支配層や権力闘争、政策評価といった視点から一歩距離を置いて、日中の研究者が100年、200年といった長期的な視点から「大国・中国」を解き明かそうという動きだ。昨年後半から現在までの研究成果を追った。

■朱教授が描いた苦闘と克服の100年史

昨年後半から「中国とは何か」を問い直す意欲的な著作が相次いでいる

上海で現在拘束中の東洋学園大学の朱建栄教授が昨年10月に出版したのが「中国外交 苦難と超克の100年」(PHP研究所、1400円=税抜き・以下同)。朱教授は無事であることが伝えられているが、まだ解放されていない。中国近代史の始まりを1840年のアヘン戦争におき「中国・清王朝の国際的な無知が植民地化を招いた」としている。朱教授はこれまで日中関係などで積極的に発言してきており、時には中国政府寄りの発言が目立つと言われたこともある。本書では「中国の近代史観は一種の被害者コンプレックス」と説き、その意識から脱却するのが重要だと指摘する。

劉建輝・国際日本文化研究センター教授は「日中二百年―支え合う近代」(武田ランダムハウスジャパン、2400円)で近代西洋が中国に進出し始める1810年代から北京オリンピック、上海万博の2000年代までを分析した。清王朝末期から中華民国、中華人民共和国までの100年は「歴代政権のイデオロギーがまったく相反していても基本的には必死に『近代』を受容しようともがき続けていた」と言う。現在の中国をようやく形の上での近代国家が完成した段階とし、さまざまな深化や成熟はこれからだとみる。

日中若手の研究成果を東大の川島真准教授と劉傑・早稲田大教授が編さんしたのが「対立と共存の歴史認識 日中関係150年」(東京大学出版会、3600円)。2001年から始まった「日中若手歴史研究者会議」の活動の一部で「歴史認識」シリーズとしては3冊目になる。1871年に対等の条約として結ばれた「日清修好条規」を起点とした。美濃部達吉、幣原喜重郎から周恩来、西園寺公一、大平正芳ら20世紀の日中関係に大きな影響を与えた人物をテーマにしている。

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