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あられをオシャレに変身 老舗の工場が復活 女子力起業(3) 編集委員 石鍋仁美

2013/7/8

 老舗のあられ工場があった。品質は高い。しかし地味で売れない。これを知り「もったいない」と感じた女性がいた。商品企画と販売の会社を設立、味付けを工夫し、包装には「日本好きの外国人デザイナー」を起用。3年前に販売を始めると都会の女性や外国人に受け、売上高を毎年2倍、3倍というペースで伸ばす。今年の年末には海外での販売も始まる。学生時代から洋服のネット販売で磨いたセンスが、日本の伝統産業に新しい風を吹き込む。

品質が良く、しゃれたデザインのあられを開発した「つ・い・つ・い」(東京・港)代表の遠藤貴子さん

 

■正統と革新を詰め合わせ

 ブランド名を兼ねた社名は「つ・い・つ・い」(東京・港)。「ついつい食べてしまうあられを目指しているので。私自身、会社勤めをしていたころ、机の引き出しに菓子を常備していましたから」と、代表取締役の遠藤貴子さん(34)。好きなものを作り、楽しい経験を売る。そんな充実感が伝わってくる。

 いま用意しているのは、例えば以下のように名づけたあられだ。デンマーク産チーズをまぶした「リッチ・カマンベール」。国産スルメイカを使った揚げもち「いか」。エビと天然塩の「黄金の海老」。大粒の黒コショウが入った「黒胡椒」。13種類のスパイスを調合した「シーフードカレー」。こうした定番品に、季節の商品が加わる。

 奇をてらったわけではない。もち米には「わたぼうし」という高級品種を使い、職人が丁寧に作る。合成着色料、保存料、人工甘味料などは使わない。商品は遮光の小袋に入れる。光に当たると風味があっという間に落ちるからだ。シリカゲルや乾燥剤、安定剤なども入れていない。その代わりに袋の中は窒素で充てんしている。手間やコストはかかるが、こうして品質の劣化を防ぐ。

竹かご入りのセットも発売。女性同士や「父の日」などの「ちょっとしたギフト」を想定

 竹製のかごに小袋を詰め、ふわりと布で縛って包んだ商品も。日本的であり、どこかかわいらしく、同時に現代的でもある。季節に合わせ、色使いや包み方を変える。アイデアは約10人のスタッフで出し合う。「手間をかけます。大手に後追いでまねされないように」。詰め合わせ用の箱も工夫した。紙箱は日本に長く住むフィンランド人のデザイナーが、家紋をイメージして作った。

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