次に、髪の毛の基礎知識を確認しておこう。

髪の毛は皮膚の一部が変形したもので「糸状の皮膚」とも呼ばれる。皮膚より外の「毛幹」と、皮膚の中の「毛根」とに分かれ、毛根の先端部に毛を作る「毛母細胞」がある。髪の毛は基本的に死んだ細胞の集まりだが、この毛母細胞だけは生きていて、髪の毛の太さや丈夫さを左右する(図2)。



自然な抜け毛は1日70~100本

個人差はあるものの、日本人の毛髪は約10万本(体毛全体が約200万本、ひげが約3万本、首から上が約45万本)とされる。1日で0.3~0.35ミリ(1カ月で約1センチ)伸び、毛髪の寿命は通常2~6年程度。

自然な抜け毛は1日に70~100本。意外に多いと思うかもしれないが、1カ所からまとめて抜けるわけではなく、目立たない程度にあちこちから抜けるので、あまり気が付くことはないという。

これは蛇足だが、実は体毛の数は胎児のうちに決まっているらしい。

胎生3カ月目くらいで体に毛穴ができはじめ、胎生8カ月目くらいまでにはすべての毛穴ができあがる。だから、生まれた後から体毛の数が増えることはない。

さらに、髪の毛の生え方を見ると、皮膚面に対して必ず斜めに生えているのが分かる。つまり、髪の毛には「毛流」という向きが自然に形成されている。この「毛流」が合流した点が「つむじ」になるそうだ。

さて、人はどうして薄毛になるのだろうか?

続いて薄毛のメカニズムに迫ってみよう。

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加齢に伴い、「ヘアサイクル」は短く