用途別モバイルノート選び、失敗しないためのポイント
最新モバイルノートレビュー
実は4~5月はパソコンの買い時だ。パソコンの新機種は、新学期や新生活が始まる春と、夏・冬のボーナス前に多く発表される。この時期は各メーカーの新製品がすべて出そろっているのだ。これはモバイルノートも例外ではない。
2016年春に発表されたモバイルノートの中で注目したいのは次の4機種。光学式ドライブを搭載しつつ小型軽量なパナソニックの「レッツノートCF-SZ5シリーズ」、タブレットとノートパソコンのいいとこ取りをしたマイクロソフトの「Surface Book」、金属の質感が美しいVAIOの「VAIO Z クラムシェルモデル」 、とにかく軽くLTEでどこでもネットにつなげるNECの「LAVIE Hybrid ZERO HZ330/DAS」。
この連載ではそれぞれの機種を試用し、レビュー記事として紹介してきたが、改めて機種ごとの長所、そして用途別のおすすめ機種を紹介しよう。
レッツノートCF-SZ5シリーズ
パナソニックのレッツノートCF-SZ5シリーズは、ほぼB5用紙サイズと小型ながら書き込み対応のDVDドライブを搭載する。最軽量モデルの「CF-SZ5HDLQR」は、光学式ドライブを搭載しつつ重量は約929g。実際に試用して驚異的な軽さだと感じた。駆動時間も約14時間と長く、USBや画面出力など端子が豊富なのもビジネスユーザーには魅力だろう。 【記事「レッツノートSZ 光学式ドライブが必要なら最有力候補」】
Surface Book
マイクロソフトのSurface Bookは高性能なパソコンとしてはもちろんのこと、キーボードを取り外すと小型軽量のタブレットとしても使える。どちらも欲しい人にはお薦めのパソコンだ。外部グラフィックスチップを搭載するモデルもあり、3D描画性能も高い。画面比率3:2と一般的なノートパソコンより縦長の画面は、複数のウインドウを表示して作業するときに快適だった。キーボードの打ち心地が良かったが、これもビジネスには重要な要素だ。 【記事「Surface Book、高性能PCと大タブレット兼用で満足」】
VAIO Z クラムシェルモデル
外で使うことが多いモバイルノートにとって、VAIOの金属をふんだんに使ったきょう体、デザインの格好良さは重要な魅力。高速なCPUやSSDを搭載するのもよい。特に、PCI Expressで接続するSSDは、読み書き速度が1GB/秒を超えることもあり、動作はかなり速かった。駆動時間がかなり長いのも魅力だ。キーボードの感触が良く、文字の入力も楽しい。 【記事「質感と性能が高いバイオZ 使い心地で選ぶ人が買い」】
LAVIE Hybrid ZERO HZ330/DAS
NECの2in1パソコンLAVIE Hybrid ZERO HZ330/DASは、タブレット本体のみで400g程度、キーボードを含めて800g弱という軽さが強み。キーボードの打ちにくさやタッチパッドの面積のなさ、タブレットとして使ったときの画面の縁の段差など、使ってみて気になる点はあったが、とにかく軽くて機動性の良いパソコンとタブレットを求める人には最適な2in1パソコンだ。LTEの携帯電話通信機能を搭載し、格安SIMカードも利用できる。SIMカードを挿せば、テザリングなどをせずにどこでもインターネットに接続できるのはビジネスパーソンには心強い。 【記事「モバイルLaVie、『軽さ』を最優先するなら買い」】
以上、各機種の長所をおさらいしたところで、用途別にお薦め機種を選んでみた。自分の使い方を考えながら、読んでほしい。
【外出先でもばりばり仕事をしたい人には?】
グラフィックス性能重視。画面も高解像度なモデルを
外出先でも仕事をするなら基本性能の高さを最優先したい。特にデスクトップパソコンの代わりとして使うなら表示能力は重要になる。
お薦めはSurface BookとVAIO Z クラムシェルモデル。Surface Bookは重量があるものの、性能が高い。特に外部グラフィックスチップを搭載しており、3Dグラフィックス性能は4機種で最も高い。文書作成だけでなく、動画編集や3DCGなどにも活用できる。VAIO Z クラムシェルモデルは、小型軽量ながら性能が高いのが魅力。画面解像度が広いため、デスクトップ画面に複数のウィンドウを表示させやすい。
【外出先ではプレゼン優先という人には?】
出力端子が豊富な機種を。小規模プレゼンなら大画面タブレットでも
外出先では入力よりもプレゼンが重要という人には、画面出力端子が豊富なほうが安心。小規模なプレゼンなら大画面タブレットを使う手もある。
お薦めはレッツノートCF-SZ5シリーズとSurface Book。レッツノートCF-SZ5シリーズは、画面出力端子が多い。HDMI端子だけでなくアナログRGB端子も備えており、古いプロジェクターにも接続しやすい。Surface Bookは、タブレットとして利用すると大画面かつ軽量なので、小規模のプレゼンに向いている。
【出張が多く、出先で使えるパソコンを探している人には?】
■バッテリーの駆動時間最優先。予備バッテリーが使える機種も
バッテリー駆動時間が長いノートなら、ACアダプターを持ち運ぶ必要がなくなり、荷物が減る。予備バッテリーを使えるモデルを選んでもいい。
そこでバッテリーの駆動時間が長いVAIO Z クラムシェルモデルとレッツノートCF-SZ5シリーズの2台をお薦めしたい。VAIO Z クラムシェルモデルは、駆動時間の公表値が約20時間と長く、2日間程度の出張であれば、電源アダプターを持っていく必要がない。レッツノートCF-SZ5シリーズは今時のパソコンとしては珍しくバッテリーの交換に対応している。予備のバッテリーを用意しておけば、緊急時にも対処できる。また、大容量バッテリーも用意されている。バッテリーの実売価格が1万円弱と安いのもうれしい。
【毎日持ち運ぶかばんをとにかく軽くしたい人には?】
1キロ以下のモデルを選ぶ。かばんに入れやすいかもチェック 最近のモバイルノートなら1kg以下のノートが候補になる。かばんに入れやすいサイズや形状かもチェックしたい。
とにかくかばんを軽くしたい人にお薦めなのは、レッツノートCF-SZ5シリーズとLAVIE Hybrid ZERO HZ330/DAS。どちらも1kgを下回る。両方とも面積がB5用紙サイズ程度なので、小さなカバンにも入れやすい。
【仕事も自宅も同じパソコンで済ませたい人には?】
ゲームもするならグラフィックス重視。ドライブがあればDVDも
自宅でどんな用途で使うかで変わってくる。ゲームを楽しみたいならCPUと3Dグラフィックス性能を重視。光学式ドライブがあればDVDも楽しめる。
仕事もプライベートも1台で済ませたい人には、Surface BookとレッツノートCF-SZ5シリーズをお薦めしたい。Surface Bookは既出の通り、グラフィックスチップを搭載しており、ゲームなども快適に動作する。Google Earthなど、3Dグラフィックス性能を要求するアプリケーションの動作も速い。レッツノートCF-SZ5シリーズは光学式ドライブを搭載し、CDソフトやDVDソフトの再生などもできる。仕事の息抜きの娯楽でも使いやすい。
モバイルノート選び、必ず確認すべき5つのポイント
レッツノートSZ 光学式ドライブが必要なら最有力候補
モバイルLaVie、「軽さ」を最優先するなら買い
Surface Book、高性能PCと大タブレット兼用で満足
質感と性能が高いバイオZ 使い心地で選ぶ人が買い
用途別モバイルノート選び、失敗しないためのポイント
(ライター 田代祥吾)
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