レッツノートSZ 光学式ドライブが必要なら最有力候補
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そこで、主要メーカーから登場しているモバイルノート4機種を取り寄せ、1機種ずつビジネス用途の視点から試用した(評価のポイントは以前の記事「モバイルノート選び、必ず確認すべき5つのポイント 」も参考にしてほしい)。今回、テストしたのは「LAVIE Hybrid ZERO HZ330/DAS」「Surface Book」「VAIO Z」「レッツノートCF-SZ5」の4台。どれもモバイルノートを購入したいと考える場合に候補に挙げたいモデルだ。
最初に取り上げるのは、ビジネスノートパソコンとして人気の高い「レッツノート」(パナソニック)。複数のラインアップがあるが、今回はモバイルノートなのに光学式ドライブを搭載した「CF-SZ5」を取り上げる。
光学式ドライブを搭載するパソコンとしては世界最軽量
パナソニックの「レッツノートCF-SZ5」シリーズは、12.1型のノートパソコンだ。929g(最軽量モデル)と軽量ながら、光学式ドライブを搭載するのが珍しい。光学式ドライブを搭載するパソコンとしては、世界最軽量だという。
レッツノートCF-SZ5シリーズの店頭販売モデルは全部で5種類。違いは、搭載するCPUやOS、起動ドライブの種類や容量、バッテリーパックの容量などだ。
通常モデルは本体が銀色だが、上位CPUを搭載するモデルは本体色が黒色となる。さらに直販モデルでは、搭載OS、メモリーやSSDの容量、天板色や本体色、キーボードの刻印などをカスタマイズできるほか、光学式ドライブをブルーレイドライブに置き換えたモデルもある。
今回、注目したのは、最軽量モデルの「CF-SZ5HDLQR」だ。重量は929gと1kgを切る。CPUに最新のCore i5-6200U、メモリーに8GB、起動ドライブに128GBのSSDを搭載しており性能も高い。実売価格は20万862円だ。
なお今回はレッツノートCF-SZ5シリーズの2015年秋モデルとなる「CF-SZ5YDLQR」を試用した。16年春モデルのCF-SZ5HDLQRとの違いは、メモリーの容量が4GBと少ないのみ。外観や搭載するCPUやSSDなど、それ以外の仕様は全て同じとなる。
片手で持てる軽さに驚く
試用し始めて、まず本体の軽さに驚いた。片手でも軽々と持ち上げられる。そのため、カバンに入れてもノートパソコンの重さと感じにくい。付属の電源アダプターも220gと軽いため、本体と電源アダプターを合わせ持ち歩いてもたった約1.1kgしかない。
本体サイズは、幅283.5×奥行き203.8×高さ25.3mm(突起物を除く)と小型だ。画面サイズは12.1型で、一般的に小型といわれている13型のノーパソコンよりも一回り小さい。ただ画面解像度は1920×1200ドットもあるので、デスクトップ画面は広い。本体の厚さはちょっとあるものの、表面積が紙のA4サイズよりも小型なので、小さめのカバンにも収納できる。大きなカバンであれば、縦に入れて持ち運ぶこともできそうだ。
CPUは高性能なCore i5-6200U。起動ドライブにSSDを搭載するため、ファイルの読み書きも速い。Windowsの操作が待たされる、ソフトの動作が遅いといったことは無く、日常操作でストレスを感じなかった。今回試用した秋モデルのメモリー容量は4GBで春モデルの8GBよりも少なかったが、利用中は常に1GB以上の空きメモリーが確保されていた。メモリーを8GBを搭載する春モデルでは、さらに余裕があるとみられる。これだけ余裕があれば、Windows 10を動かすには十分。メモリーを多く使う画像や動画編集といった用途でも使いやすそうだ。
端子が多いのも魅力
動作時間はJEITA 2.0による計測方法によると約14時間。一般的なノートパソコンの駆動時間は7~10時間と公表している製品が多く、それらと比べるとかなり長い。実際の駆動時間はパソコンの利用方法によって多少は異なるものの、公称値で14時間と長ければ10時間以上の利用は余裕ではないか。また、オプションで標準のバッテリーよりも大容量の「バッテリーパック(L)」も用意されており、こちらを取り付けると動作時間は20時間を超える。
端子が豊富なのも魅力だ。USB 3.0端子は右側側面に3個もあり特に多い。マウスを使いつつUSBメモリー同士でファイルをコピーするといった使い方もできるの便利だ。
画面出力端子はHDMI端子のほかにアナログRGB端子を搭載しており、古いプロジェクターや古いテレビなどにも出力しやすい。また、HDMI端子とアナログRGB端子を同時に使うことで、3画面同時出力もできるので、マルチスクリーン環境も構築できる。
側面には、今時の小型パソコンとしては珍しく有線LAN端子もあるため、無線LANが無い場所や無線LANの利用が禁止されている場所でも、ネットに接続しやすい。
使わない時は内蔵光学ドライブの電源をオフにできる
CF-SZ5シリーズの特徴ともいえる光学式ドライブはDVDの読み書きに対応する。直販モデルではブルーレイドライブも選択できるのは前述の通り。
光学式ドライブは正面にあるので、メディアの入れ替えは楽だ。光学式ドライブはキーボードやタッチパッドの真下にあるため、手に光学式ドライブの振動が直接伝わるのではないかと心配したが、使ってみるとそのようなことは全く無かった。再生ソフト「PowerDVD 12」(CyberLink)がプリインストールされているので、市販ソフトも再生できる。移動中にDVDソフトを見たり、DVDソフトを再生したりしながら作業をするといった使い方もできるので便利だ。
ユニークなのは、光学式ドライブを利用していないときは光学式ドライブの電源を落とし、省電力動作する仕組み。光学式ドライブは、ディスクを入れて読み書きするときのみ動作する。電源の管理ソフトがインストールされており、一定時間利用していないと自動的に光学式ドライブの電源が落ち、パソコンが長時間動作するように手助けする。
光学式ドライブが必要な人は決まり
外出先で資料をDVD-Rに書き込む必要がある人、またはDVD-Rで資料で受け渡されることが多い人は、パソコンに光学式ドライブの装備は必須だ。しかし、光学式ドライブを搭載パソコンは一般的に大きくて重い。持ち運びが面倒だ。小型パソコンと外付け光学式ドライブを一緒に持ち歩く手もあるが、かさばるし荷物が増える。
光学式ドライブを搭載しつつ、A4サイズより小型で重量が1Kgを下回りつつ光学式ドライブを搭載するCF-SZ5シリーズは、そんな不満を解決してくれる唯一の存在だ。光学式ドライブを搭載しつつ、A4サイズより面積が小型で、重量が1kgを下回る最新ノートパソコンはCF-SZ5シリーズしかない。
価格は20万円からで、12~13型のノートパソコンとしてはライバル機種より数万円高価なのが唯一のデメリットだが、光学式ドライブを搭載することにメリットを感じるなら、選択肢としてありだろう。
※写真は全てCF-SZ5YDLQR(15年秋モデル)。CF-SZ5HDLQR(16年春モデル)とはメモリーの容量以外は同一。
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(ライター 田代祥吾)
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