モバイルLaVie、「軽さ」を最優先するなら買い
最新モバイルノートレビュー
800gを切る驚異的な軽さ
「LAVIE Hybrid ZERO HZ330/DAS」はモバイルノートだけでなく、タブレットとしても利用できる、いわゆる「2in1パソコン」だ。11.6型の液晶を持ちながら、キーボードを含む重量がたった798gしかない。ノートパソコンとしては驚異的な軽さだ。
キーボードを取り外し、本体部分をタブレットとして使うと、さらにその軽さに驚く。11.6型の大型タブレットながら、重量は400gを下回る。タブレット部分のみだと厚みはたった7.6mmしかない。多くの8型タブレットよりも薄くて軽い。
画面サイズは11.6型と小型ながら、解像度は1920×1080ドットと高解像度。画面を広く使える。画面の表面処理は非光沢で、周囲の映り込みが少ないのはいい。
気になったのが画面ふちの段差。この段差があるために、タッチパネルの操作がしにくい。特にWindowsの操作では必須となる、画面外からのスライドが困難だ。
電源アダプターの重量は175gと軽く、手のひらサイズで持ちはこびやすい。本体とキーボードと電源アダプターを一緒に持ち歩いても1kgを切る。長時間、外出先でモバイルノートを利用する人にとって、この軽さは重要だろう。
電源端子はタブレットとキーボードの両方に
CPUはCore m3-6Y30を搭載する。Core mは、一般的なノートパソコンが搭載するCore i5やCore i3といったCore iシリーズのCPUよりも低消費電力で動作するCPUだ。性能はCore iシリーズよりも若干低いものの、ウェブページやメールの閲覧といった簡単な作業では十分活用できる。
メモリーの容量は4GB、SSDの容量は128GB。どちらもWindows 10を動かすには十分な量だ。
2in1タイプのパソコンとしては端子も多い。
キーボード側には、HDMI端子とUSB 3.0端子2個を備える。すべての端子が右側に配置されており、右手でアクセスしやすい。
本体側には、MicroSDカードスロットやSIMカードスロット、USB 3.0 Type-C端子などを備える。USB 3.0 Type-C端子があり、タブレットとして使うときもUSB機器を利用できる。電源端子は本体側とキーボード側の両方に備える。キーボード側に電源アダプターを挿しておけば、クレイドルのようにも活用できる。
バッテリーはタブレットとキーボード側の両方に搭載されており、キーボードを取り付けると約10.3時間、本体のみだと5.5時間も動作する。日中の作業でバッテリーが不足するといったことはまずないだろう。
キーボードは打ちづらいが……
キーボードは、キーストロークが1.2mmしかない。一般的なノートパソコンと比べるとかなり浅い。キーも固いためか、打ち心地はあまりよくない。キーピッチは17.5mmと狭く、キーの幅がないため、指が太い人はキーが打ちにくいと感じるだろう。
また、パームレストの奥行きも一般的なノートより狭い。キーボードのホームポジションに手を置くと、手のひらの半分程度がパームレストからはみ出て浮いた状態となる。その状態で長時間文字入力をしたところ、疲れを感じた。タッチパッドの面積も狭く、マウスカーソルを細かく動かす操作はしづらかった。
ただし、キーボード部の薄さや本体の軽さを考慮すると、以上の問題は我慢できる範囲だろう。タブレットとノートパソコンを合体させた2in1パソコンのキーボードとしては、よいとも感じた。
格安SIMも利用可能
装備で注目したいのは、LTE対応の携帯通信機能。通信事業者のSIMカードを本体に挿せば、テザリングやWi-Fi(無線LAN)に頼らずにインターネットに接続できる。SIMロックがかかっておらず、好みのSIMカードを挿せるのもいい。大手携帯通信会社のSIMカードはもちろんのこと、今はやりの格安SIMカードや海外のSIMカードなども利用できる。
LAVIE Hybrid ZERO HZ330/DASの実売価格は17万2210円。直販モデルではOSの種類やLTE通信機能の有無も選択できる。LAVIE Hybrid ZERO HZ330/DASのほかに、LTE通信機能を搭載しないHZ300/DAシリーズと、キーボードが付属しないHZ100/DAシリーズも販売されている。LTE対応の携帯通信機能以外の違いは、搭載するCPUの種類、SSDの容量、背面カメラ、全地球測位システム(GPS)機能の有無などだ。
何よりも「軽さ」を優先する人に
LAVIE Hybrid ZERO HZ330/DASの最大の魅力は軽いことだ。
軽さを突き詰めた分、キーボードやタッチパッドなど、入力デバイスの使い勝手が犠牲になっていると感じたが、モバイルノートパソコンを選ぶ場合、それらの機能が最優先になるとは限らない。入力しやすさに妥協してでも圧倒的に軽い2in1パソコンを求めるなら、最高の選択肢だろう。
※価格は家電量販店のネット通販を調査。2016年4月9日時点
モバイルノート選び、必ず確認すべき5つのポイント
レッツノートSZ 光学式ドライブが必要なら最有力候補
モバイルLaVie、「軽さ」を最優先するなら買い
Surface Book、高性能PCと大タブレット兼用で満足
質感と性能が高いバイオZ 使い心地で選ぶ人が買い
用途別モバイルノート選び、失敗しないためのポイント
(ライター 田代祥吾)
ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。
関連企業・業界