ヤングたちのフィーリング「バイブス」
コトバ百貨店
死語の例として、よく出てくるのが「ナウでヤングなフィーリング」なるフレーズ。当時のヤングが喜んで使っていたと思われがちだが、ここで言っておきたい。自分の記憶では1970年代、洋品店で「ナウなジーパン買ってくれ」とお母さんにねだっているところを目撃されたクラスの男子が、翌日から「ナウなジーパン」というあだ名に。つまり「ナウ」でさえ、当時からあんまり「ナウ」じゃなかったわけで。
一方「フィーリング」のほうは、こんな言葉になって帰ってきた。今週のお品物「バイブス」だ。意味はフィーリング同様、本能的な感覚や雰囲気のこと。気分が乗ってきたときなど「いいバイブスが来てる」と言ったり、気に入った音楽などを「バイブスが高い」と褒めたりする。
そもそもレゲエやヒップホップなどの音楽用語だったものが、やがて米国の若者言葉に。ここ数年は日本でも、ギャルなどのヤング層が使うことが多くなった。ちなみに発音は、バイブス(→)じゃなくて、バイブス(←)。「バイブル」より「バイパス」のイントネーションに近いので注意しよう。それではみなさん、リピートアフターミー! 「バイブス、たっけー(高い)」。
(ライター 福光 恵)
[日経プラスワン2014年3月1日付]
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