スマホに「来店ポイント」 買い物しなくてもたまる
商品バーコード読み込むだけ
スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)を手に対象店舗を訪れたり、付属カメラで店内の商品のバーコードを読み込んだりするだけでポイントがたまる。そんな「来店ポイント」を獲得できる無料アプリが増えている。買い物をしなくてももらえ、商品券などに交換できる。各店で1日1回限りといった制限はあるが、ゲーム感覚でポイントを集める楽しみもある。
500円分の商品券
「学生だから、店に来ただけで500円分の商品券がもらえるのはうれしい」と話すのは都内の大学生、高尾知織美さん(20)。東京・新宿にある婦人服店「アースミュージック&エコロジー」の中で、米アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」に入れておいた無料アプリ「ショプリエ」を起動。指定された商品のバーコードを読み取り、商品券がもらえるポイントを手に入れた。
ショプリエはリクルートが2月から提供するアプリ。ほかにも婦人服ブランド「クリアインプレッション」6店や東京・新宿のファッションビル「フラッグス」内の14店など、ファッション専門店を中心に200カ所以上で利用できる。現在は実証実験中で、店により今月25日~5月末でいったん終了する。
スマホの位置情報を基に最寄りの参加店舗を検索し、好きなブランドや店を選ぶと、対象商品が表示される。あとは値札のバーコードをカメラで読み込み入店確認の「チェックイン」をするだけ。1回でもらえるのは250円相当。商品券と交換できるのは最低500円か1000円分ためてからだが、専用サイトなどでキャンペーン用バーコードを読み込めば、初回のみ500円分のポイントが一気にたまる。
ブランドとして参加する店の場合、原則1日1回しか利用できない。一方、ファッションビルとして参加するフラッグスでは、ビル内の参加店を訪れるたびに50円相当のポイントがもらえ、1日5カ所まで巡れる。割引券はチェックインしたブランドか施設だけで使える。
もっと気軽に使えるのが、IT(情報技術)ベンチャーのスポットライト(東京・港)が昨年9月から提供するアプリ「スマポ」。指定された店舗や売り場に行くだけで利用できる。
仮想コインでゲーム
家電量販店のビックカメラ14店や旅行会社のエイチ・アイ・エス8店、百貨店の大丸東京店(東京・千代田)など対象は8社約80カ所。一部を除き1カ所につき1日1回というルールはあるが、同じチェーンでも違う店なら同じ日に何カ所でも獲得できる。ポイントはどの店の特典に交換してもいい。
ネット企業、ボヤージュグループ(東京・渋谷)の「ポイントライフ」はユニークな方法でポイントを増やせる。宅配ピザ店やコンビニエンスストアなど全国5万カ所が対象。利用は1カ所につき1日1回までだが、対象店舗を訪れチェックインをすると仮想コインが1つもらえる。このコインを使ってアプリ内でゲームをし、獲得ポイントが5000以上になると商品券がもらえる別のポイント「PeX」と交換できる。5500以上のPeXは現金とも交換可能だ。
企業と随時キャンペーンも展開。4~5月はゴルフ用品店のゴルフパートナー(東京・千代田)全店で、チェックイン時に通常の5倍のコイン5枚がもらえ、チェックイン完了画面が5%の割引券になる。
アプリなので、たくさん保持してもカードのようにかさばらないのも利点だ。各社のサイトも参考にし、賢く使いこなしたい。
(消費産業部 堀聡)
[日本経済新聞夕刊2012年3月22日付]
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