買い物前にチラシ見比べ スマホ一つで冷蔵庫管理も
今日の夕飯は何にしよう――。手の込んだ料理に腕を振るいたい日もあれば、冷蔵庫にある食材を活用して手軽に済ませたい日もあり、日々の献立に悩む人も多い。そんなときに役立つのがスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)のアプリだ。最近では、チラシ検索や食材管理など日々の買い物を手助けしてくれる様々なアプリが登場している。
捨てる手間省ける
「近所のスーパーのチラシを一度に見られるのが便利」。東京都に住む主婦の林亜沙美さん(30)は買い物へ出かける前にスマホの画面に目を凝らす。利用するのは凸版印刷の電子チラシアプリ「Shufoo!(シュフー)」だ。スーパーやドラッグストアなどを運営する約920社の企業が参加しており、掲載店舗は約7万1000店。電子チラシなので家にチラシがたまらず「捨てる手間も省ける」。
自宅の住所を登録しておけば、半径3~5キロメートル内の店の折り込みチラシやネット専用のチラシがアプリのポストに毎日届く。職場など自宅から離れた場所の周辺にある店舗のチラシが見たいときは、現在地や郵便番号、店名からでも検索可能だ。
検索結果が多い場合、絞り込み機能を使えばスーパーや日用品といった分類ごとに仕分けができる。チェーン店ごとにチラシをまとめることもできる。
もっとも、実際にスーパーの売り場に来てみると、チラシに掲載された商品以外にもお買い得な商品が並んでいる。ついつい冷蔵庫にあるのに同じ物を買ってしまうケースも多い。こんなとき、NECビッグローブ(東京・品川)の「冷蔵庫チェッカー」が役に立つ。買った食材を登録しておき、冷蔵庫の中の食材を外出先からスマホで確認できるアプリだ。
肉類や魚介、野菜など6つに大きく分類され、登録できる食材の詳細項目は93種類に及ぶ。毎日、料理に使った物や買った物をチェックしておけば、食材の有効活用にもつながる。
冷蔵庫の食材で夕飯を済ませたいときには、レシピ検索が便利だ。アプリに表示される「冷蔵庫」の食材をタッチすると、ビッグローブやクックパッドが運営するレシピサイトで同じ食材を使う料理の作り方が見られる。メモ機能も付いており、買い忘れの防止にもなる。
川崎市に住む会社員の男性(23)は「冷蔵庫にある食材でレシピ検索ができるので、一人暮らしでも食材を余らせずに使える」と満足そう。
このほか、サンライズ・エー・イー(青森県八戸市)の「お買い物電卓」は、品物の値段と個数を入力して合計金額を表示してくれるシンプルなアプリ。買おうか迷っている場合は合計金額を見ながら検討できる。予算設定の機能を使えば節約にもつながる。
商品を後でネット通販
いざ帰ろうというとき、牛乳やトイレットペーパーなど、重かったり、かさばったりする物で帰り道が大変なことも多い。日々の買い物に、ネット通販を活用するのもひとつの手だ。
コードスタート(東京・目黒)が提供するアプリ「ショッピッ!」は、スマホ付属のカメラで商品のバーコードを読み取ると、楽天市場やヤフーショッピング、アマゾンなど約40のネット通販サイトの販売価格が比較できる。日用品など定期的に購入するものは過去の読み取り履歴をみて簡単に買い物ができる。気になる商品のバーコードを読み込んでおけば、備忘録としても活用できる。
2010年6月に提供を始めてからの累計ダウンロード数は60万を超えた。春からは「ネット上だけでなく、実店舗の在庫情報なども検索できるようにする」(加藤陽一取締役)予定だ。
パソコン向けでも買い物を手助けしてくれるサイトはたくさんあるが、手軽に持ち運べて外出先でも利用できるのはスマホのアプリならではの特徴。スマホを持って出かければ、日々の買い物がずいぶん楽になりそうだ。
(証券部 池田将)
[日本経済新聞夕刊2012年2月16日付]
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