外資企業に強い「目立とう意識」 日本型協調は例外的
新日本プロレスリング前社長 ハロルド・ジョージ・メイ氏(18)
ハロウィーンの凝ったコスプレもトップが目立つことが重要だと考えているから
業種や規模はもちろん国境をも軽々と飛び越えて次々に効果的な策を打ち出し、企業を成功に導く。こうした「プロ経営者」と呼ばれる人たちの一人がハロルド・ジョージ・メイ氏だろう。赤字状態だったタカラトミーの社長となるや、わずか数年で最高益へと業績をV字回復させた。そのメイ氏は2018年、新日本プロレスリングの社長に就いて、新たなファンを呼び込んだ(2020年10月に退任)。メイ氏の「仕事人秘録」の第18回では、日本企業と外資企業の違いについて語ります。
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外資系企業と日本企業の両方を経験して思ったことは、言語の語順が逆であるように働き方や意思決定の手順も真逆だということです。だから、なかなか外国人は日本企業に溶け込めないし、日本人も海外企業になじみにくいと思います。
わかりやすく言えば、海外企業は狩猟型で日本企業は農耕型です。狩猟はグループのメンバーが個々に分かれて一人ひとり狩りをして、最後にみんなで分かち合う。一人ひとりが権限を持って独立して遂行します。
一方、日本企業は土地を協力して耕したり、田植えをしたりするように、みんなで力を合わせ一つのことを成し遂げるという発想が根本にあります。
海外企業はトップダウンで物事が決まります。マネジャーには絶対的な権限があります。だから、それぞれの部下に仕事を任せられるのです。逆に日本企業では「この人に全部任せる」とはなかなかなりません。結果が良ければみんなのおかげで、悪い場合は責任を明確にしません。
さらに、狩猟型は決定がとても速い。狩猟はその場で決めないといけない。いちいち合議で決めていたら獲物に逃げられてしまいますから。その半面、リーダーの責任がとても大きいわけです。