――私たちの働き方も変わるのですか?

ジョブ型雇用は社員にとって、自分のキャリアは自分で切り開く、という制度です。企業には、社員が就きたいと考える職務になるべく就ける仕掛けが求められます。日立製作所グループは海外拠点でポストに空きが出ると社内外から公募していますが、国内にも広げる考えです。

これまでの成果主義の人事制度と、ジョブ形雇用との違いは、後者が雇用の流動性を高める仕組みだということです。欧米のように、外部との間で思い切った人材の入れ替えをするのは当面難しいとしても、社内の人材流動性を上げることが、企業にとって制度導入を成功させるカギでもあります。

一方で、個人のキャリア意識が高まれば、優秀な人材が辞めてしまうリスクも増大します。上司と部下の意思疎通がこれまで以上に重要になります。雇用制度が変わっても、組織の風通しの良さが大切なことは変わりません。

ちょっとウンチク

チーム意識維持に一工夫

ジョブ形雇用を実践する道具としておなじみなのが、ポジションごとに職務内容を明確にした「ジョブディスクリプション(JD、職務記述書)」だ。使命、役割、必要な能力・資格や、誰に業務報告をするかなどを規定する。半面、役割をはっきりさせることで、「チームワークが損なわれないか」と心配する声も聞かれる。

じつは欧米企業では、JDに、「社内の同僚や関係者と協力しながら」といった文言を入れることが珍しくない。社員が自らの成長のため、JDに記載された以外の業務をこなすこともしばしばだ。弾力的にジョブ型の制度を動かしている。(編集委員 水野裕司)

■今回のニッキィ
小川 めいこさん ケアマネジャー。新型コロナの感染拡大で、4、5月は担当の高齢者訪問を自粛した。「久しぶりに訪れると、筋力の低下などが見られ、サービス内容変更も相次いでいます」
中村 晶子さん 金融機関勤務。外出自粛期間は在宅勤務と出社が半々だった。買い物に行くスーパーでは一時、品薄になる商品もあり「好きな物を買えるありがたさを、あらためて実感しました」

[日本経済新聞夕刊 2020年8月17日付]

「ニッキィの大疑問」は原則月曜掲載です。


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