「リョカン」式のサービスを輸出

建物、料理など、すべて日本流にした。客室係は全員、日本語ができる。

建物は国内と同様、大林組にお願いした。能登半島の海産物などを現地に送り、日本と変わらない料理を楽しんでもらっている。

心配は客室係をどう確保するか。日本語が堪能な人を10人雇い、リーダーに育てて他のメンバーを教えてもらおうと考えた。ところが、次に募集した70人に300人以上の応募があり、こちらも日本語を勉強している人ばかり。日本の文化や流行に興味を持ち、言葉も学んでいたようだ。実務を教えるにも、日本語ができた方が都合がいい。

開業前に訓示のため現地に行くと、80人が日本語で声をそろえて「サービスとは」「加賀屋の品質方針とは」と唱和する。日本の研修担当者が相当たたき込んだな、と思った。今も現地に聞いてみると「台湾の客室係は一度覚えた作法を崩すことがありません」という。おかげでいいサービスという評価を得ているようだ。

もちろん、客室係が部屋へ入って世話をする日本流が、全ての台湾人に受けるわけではない。現地に合わせた改善も続けている。ただ、日本のおもてなしは想像以上に海外で評価が高いと実感できた。現在もアジアや欧米から、進出の依頼を多くいただいている。まだ製造業には足元にも及ばないが、日本のソフトの1つとして、「リョカン」が外貨を稼ぐ力になれるかもしれない、と考え始めている。

[日経産業新聞 2015年3月10日付]

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