何時間かけてでも食べに行きたい、スイーツ三昧の旅続・食を愉しむ旅(7)ナショナル ジオグラフィック日本版

~トルコ 甘いもの天国イスタンブール~

カドゥキョイにある「ハジュ・ベキル」。(c)Steve Outram/Alamy.

イスタンブールのカドゥキョイ地区にあるお菓子の店、ティーハウスやカフェで甘いものを好きなだけ堪能しよう。

イスタンブールのアジア側、トプカプ宮殿や金角湾など観光名所のある地区からボスポラス海峡をはさんで反対側にあるカドゥキョイは、この街の欧州側の地区とはまったく異なる雰囲気だ。

カドゥキョイの港は数百年前から、西、北、南から来る人や物を東にある内陸のアナトリアへ運ぶ拠点だった。欧州側から船で来ると、カドゥキョイ桟橋に近づくにつれ、その違いに気づく。海沿いは近代化され、大手チェーンのコーヒーショップがあって興ざめだが、その残念な表玄関から1ブロック奥へ入ると、活気と色彩に包まれたバザールがある。

カドゥキョイの有名な菓子屋はここにあり、スイーツやキャンディなど、めまいがするほどたくさんの種類のお菓子を売っている。朝早くから午後8時までの間いつでも、カドゥキョイの買い物客や物売りと同じように、甘いものでエネルギーを補給しよう。 「バイラン」「ベヤズ・フルン」「ハジュ・ベキル」「シェケルジ・ジャフェル・エロル」で、コーヒーやチャイ、クッキー、ケーキ、ロクム(ターキッシュデライト)を味わおう。どの店も長年イスタンブールの甘党を喜ばせてきた老舗だ。

甘いもので元気になったら、バザール周辺を歩きまわろう。行商が売る魚は新鮮で、まだ口がぱくぱく動いているようだ。季節の産物を満載した屋台に混じって、オリーブやチーズ、干した果物、ハーブ、ナッツ類など、おいしそうなものを売る店がたくさんある。

………………………………………………………………………………

■ベストシーズン  春と秋が特に快適だが、一年中いつ行ってもいい。ラマダン後の「シュケル・バイラム(砂糖祭り)」は甘いものをたたえる3日間の祭り。日付は年ごとに変わる。1日目は美術館や観光施設も閉まる。2日目と3日目は開くが、混雑する。

■旅のヒント   欧州側のエミノヌ、カラキョイ、ベシクタシュからは、フェリーが頻繁に往復している。同じ欧州側のカバタスからは便数が少ない。所要時間20~25分。カドゥキョイを見るには2~3時間は必要。スイーツの店やカフェに寄り、バザールを見てから、港の南側にある瀟洒(しょうしゃ)な住宅街モダを散歩してもいい。

【見どころと楽しみ】
<カドゥキョイの見どころ>
・1934年創業、ギリシャ人が経営するチャイとペストリーの店バイランは、1960年代から1970年代は、イスタンブールの作家や詩人、画家、俳優のたまり場だった。ここでイスタンブール市民に混じって当時に思いをはせ、チャイを飲みながら甘いものを味わおう。看板メニューはカプ・グリエ(バニラアイスに生クリーム、キャラメルソース、ピスタチオとアーモンドをかけたもの)。
・マケドニア(当時はオスマン帝国の領土)移民のヨルゴス・ストヤノフが170年以上も前の1836年に始めたベヤズ・フルンは、創業以来ずっと同じ一族が経営している。「白いオーブン」を意味するこの店の売れ筋商品は、ずっしりとしたおいしいパン、マジパン、濃厚なケーキ、マカロン。
・シェケルジ-ジャフェル-エロルでは、キャンディの詰まった大きなガラスのつぼがカウンターを埋め尽くし、いろいろな砂糖菓子が所せましと並んでいる。お菓子にはアキデ・シュケリ(飴)、自家製チョコレート、バクラバ、ゴマのハルバ、シロップに浸したクッキーなどがある。