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定番メニューは変えず、期間限定メニューで需要の変化に対応(2004年11月のメニュー)

定番メニューは変えず、期間限定メニューで需要の変化に対応(2004年11月のメニュー)

ラーメン店「日高屋」の創業者、神田正・ハイデイ日高会長の「仕事人秘録」。神田氏は店を回って、現場の働き手と話すことを続けてきました。会長になっても、店を訪ねる理由とは?

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3年前には、1年間かけて全店を回った。現場との距離を縮める努力が習い性になっている。

400店近くになると全店を何度も回って、というわけにはいかず、従業員の顔と名前も一致しなくなってきますが、それでも従業員とのコミュニケーションは楽しみの一つです。皆それぞれに、これまでの歩みがあって、さまざまな事情を抱えていて。そういう人生の機微に触れると応援したくなるし、ありがたいな、と心から思えます。

店を訪ねるときは店長に直接、電話します。「いついつの午後、都合はどう?」と言えば時間を空けてくれそうなものですが、「その時間は都合が悪いので」と日にちを変更させられることもあります。そういう会社なんです。

そうまでして店長や従業員と顔を合わせたいのは、それだけの収穫があるからです。お客さんが何を考え、何を欲しているのか、一番知っているのは前線で働く従業員ですからね。彼ら、彼女らがアンテナとなり、ニーズやトレンドをつかむのです。例えば「おひとりさま消費」の兆候も、店を回っていると、最近なぜか女性一人の来店が増えた、といった具体的な現象として、世間で言われ始めるのに先駆けて聞こえてきます。

食事するために客として店に行くとオペレーションの改善点が見つかります。従業員の動きにくそうなレイアウトや、テーブル席とカウンター席の配分がおかしいと感じることもあります。そうした気づきを大切にしています。

夜、何気なく店で眺めていると、サラリーマンの4人組が飲んでるんですよ。しばらくして、締めに、ラーメンを2杯頼んで4人で分けるんです。それなら「半ラーメン」をメニューに入れた方が、客は面倒じゃないし、値付け次第ではこちらももうかります。社内でそんな提案をしたこともありました。

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