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暮らしを変えた立役者

退学危機で心入れ替え 数学・物理伸ばし理科大へ 「サイゼリヤ」創業者 正垣泰彦氏(2)

2018/11/2

「おまえね、これからは勉強しろ。一生懸命やれば今からでも大学に入れるから」。予科練出身で片足がなかった平沢先生は厳しくも男気がありました。退学処分になってもいいやと思っていましたが、その言葉に心を入れ替えて、頭を丸めて本気で勉強をすることにしました。

■学び始めて気づいた、数学・物理のおもしろさ

勉強をいざやってみると微分積分が非常に面白い。語学のような暗記科目は何回も忘れちゃうので苦手でしたが、論理が明快な数学と物理がとても好きになり、授業が終わっても夢中で独学。毎日10~20ページのペースでテキストを読み進め、高2の時に高3の内容を終えました。東京大学や東工大の過去問も簡単に解けました。

ただ、語学は相変わらず嫌いなので、数学と物理で突破できる大学入試はどこだろうか。当てはまったのは東京理科大です。「ここなら入れるぞ!」。勉強する前は1番成績の悪いクラスでしたが、高3の時にはトップクラス。大学で習う物理の内容にまで踏み込んで勉強していたので、大学入試には自信がありました。

■諭してくれた恩師との別れ

もちろん結果は合格。平沢先生にお礼に行き、「そうか、良かったな」と喜んでくれました。高校卒業後は音信不通でしたが、1994年に「飲食業の仕掛け人」というテレビ番組に出たときに、「これは、教え子の正垣だ」と突然、電話がかかってきました。

会いましょうと約束していたのだけれど、結局会えないままでした。その後、平沢先生の奥様から電話があり、先生が亡くなられたことを知りました。「先生のおかげです。本当にありがとうございました」。先生との接点がなければ今の私はありません。退学の危機に矢面に立ってくれた感謝の念から、お礼を言いました。何度も何度も。

[日経MJ(流通新聞)2018年4月6日付]

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