扱いやすい望遠コンパクトデジカメ
何でもランキング
旅先 広がる撮影の幅
コンパクト型デジタルカメラの高機能化が進み、望遠撮影できる倍率を従来より高めた製品が人気を集めている。従来は5倍前後の望遠機能を備えた製品が多かったが、最近では10倍以上の製品も珍しくない。旅先で風景などを撮影する場合、「撮影の幅が格段に広がる」(磯修さん)。初心者でも使いやすい、7倍以上の望遠機能を持つ製品を専門家に選んでもらった。
かつては有効画素数の差が画質の違いにつながったが、最近は光を感知するイメージセンサーの能力や、撮影シーンに自動的に適応する機能などの違いが影響する。これらの能力を含めた総合点で勝る製品が上位に並んだ。
購入する際に、重視したいのは望遠レンズを使うズームの倍率だ。「光学何倍」と表示され、画質を落とさずに被写体を拡大できる。今回ランキングに入った製品では、1、2、5、9位の製品が光学15倍以上の望遠機能を持つ。もっとも選者の中には「10~12倍あればさほど不足を感じない」という声もあった。
また、デジタル画像技術を使って拡大するデジタルズームがあれば、光学ズームと合わせて、さらに高い倍率となる。従来は画質が落ちると見られていたが、最近は画質の劣化が目立たない「超解像技術」を搭載する製品が増えてきた。デジタルズームの能力はメーカーによりまちまちだが、今回は1、5、6、8位の製品のデジタルズームを評価する声が多かった。
年末年始には、大人数の家族写真の撮影など近距離で広い範囲を写す機会も多いかもしれない。望遠機能とともに、広い範囲を撮影したい場合には、1、2、5、9位のように焦点距離の数値が小さく、かつ望遠の倍率が高い製品を選ぶのがよい。このほか、動画撮影の能力の差が大きく、解像度が同じであっても、1秒間のコマ数(フレーム数)が異なる。頻繁に使う人は注意しよう。
手ブレ補正もチェック
望遠撮影では被写体を拡大するため、ちょっとした手ブレでも影響が大きい。製品を選ぶ際には、しっかりと本体を持ちやすいかをまず確認した方がよい。「店頭では最も倍率を高めた状態で何枚か撮影し、手ブレ補正の能力もチェックしたい」(河原塚英信さん)という声もあった。
撮影時には「グリップを包むように持ち、脇を締め、シャッターを静かに押す」(兵頭剛さん)。また、失敗に備えて、望遠の倍率を下げて予備の撮影をしておいたり、連写で撮影したりする方が安心だ。このほか「オートフォーカスの速さは一眼レフほどではないので、運動会で走ってくる子どもなどを望遠で連写するのは難しい」(山田久美夫さん)ことも知っておきたい。
調査の方法 7倍以上の光学望遠機能を搭載する400グラム未満の34機種が対象。「様々な場面で手軽にズーム撮影できるか」「初心者でも簡単に使えるか」などを考慮し、携帯しやすい機種を選んでもらった。選者は次の通り(敬称略、五十音順)出雲井亨(テクニカルライター)▽磯修(日経トレンディネット編集部記者)▽荻窪圭(デジカメライター)▽河原塚英信(「ベスト・ギア」編集者)▽清水博之(デジカメライター)▽中場康浩(ヨドバシカメラ・カメラ事業部)▽兵頭剛(エディオン・デジタルコミュニケーション商品部マネージャー)▽道越一郎(BCNエグゼクティブアナリスト)▽山田久美夫(デジタルカメラ情報サイト「DigitalCamera.jp」主宰・写真家)▽山田寿(ヤマダ電機広報部部長)
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