旅先での料理、なぜ貧乏くじばかり引いてしまうのか
第3回 最適化原理と満足化原理
旅先での名物料理、外さない方法は? 画像はイメージ=PIXTA
変わりモノにうまいモノなし?
皆さんは、旅先ではじめてのお店に入って食事するときに、どんな料理の頼み方をするでしょうか。
メニューから看板料理を見抜いて注文する、店員にお勧めの料理を尋ねる、まわりの人の食べているものを参考にする……。あるいは、余計なことをせずに、とにかく自分の食べたいものを食べるという人もいるでしょう。
私は、メニューを開いて「これ何だろう?」と疑問に思う料理に必ず挑戦します。せっかく新しい店に来たのですから、新しい体験をしたいからです。
そうなると、家族旅行のときが大変です。我が家では「同じ料理は注文しない」という不文律があります。どんな料理でも、皿を回して味の交換をするからです。家族の誰もが食べたことのない、かなり変わった料理を注文するのが、私の役目となります。
結果はたいてい大ハズレです。家族に試食させても「微妙……」という返事が返ってくるだけ。みんながお店自慢の料理に舌鼓を打つのを尻目に、おいしいのかまずいのかよくわからない料理の敗戦処理に当たる羽目になります。
私のチャレンジは、話のネタにはなっても、「おいしいものを食べたい」という問題の解決に対しては、いつも失敗に終わるわけです。にもかかわらず、また変わった料理を注文してしまいます。悲しいかな、そうやって「貧乏くじ」を引き続けてしまうのです。皆さんも、そんなことはないでしょうか?
「最適化原理」と「満足化原理」を使い分ける
私たちの人生は選択や決定の連続です。このコラムを読んでいるのも、何らかの選択によってなされたものです。ましてや多くの人が関わる組織活動は、意思決定の連鎖によってなされます。よりよい問題解決をするには、よりよい意思決定をしなければなりません。いくら問題の分析がうまくいっても、どれほど素晴らしいアイデアをたくさん考え出しても、最後の意思決定がまずいと水泡に帰してしまいます。
要するに、なぜ問題が解決しないかといえば、適切な決定(選択)をしていないからです。そうならないよう、いろんな角度から問題やアイデアを徹底的に吟味して、最良の判断をしていく。それが「合理的決定アプローチ」です。