信州新町のジンギスカン 海なし県の貴重なたんぱく源
ジンギスカンは北海道名物ということになっています。異論はありません。体験したことはありませんが、札幌辺りではお花見というと桜の下でジンギスカンらしいですね。アウトドア・クッキングは楽しいものです。戦前、軍需品の羊毛を生産するため、大量の羊が飼われたのがルーツと言われています。
今回取り上げた長野市信州新町のジンギスカンも、やはり軍隊向けの綿羊飼育が背景にあります。綿羊を飼わなくなっても味の記憶は消えることなく、地元では盛大に食べ続けてきました。
長野は海なし県なので、たんぱく質は主に肉類から摂取、県内は様々な肉料理の宝庫で、ジンギスカンもその一つです。もう、その食べ方は豪快そのもの。中でも臭みがなくて柔らかいサフォーク種が人気とか。肉好き必見の食の景観です。
飯田市の遠山郷にもジンギスカンがあります。こちらは「ジンギス」と呼びます。食べ比べも楽しそう。
(食と旅のコラムニスト 野瀬泰申)
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