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本場四川の火鍋を東京で モツを主役に、スープも多彩

2017/8/17

鍋が冬の風物詩だったのは今は昔。昨今では「夏鍋」なる言葉も登場し、汗をかきかき鍋料理を楽しむ光景も当たり前になった。

隣国、中国でもこれは同じ。中国の鍋料理は「火鍋(フゥオグゥオ)」と呼ばれ、元々は広く鍋を使った料理を指す言葉であったが、今は四川省や重慶が発祥と言われるトウガラシや山椒をたっぷり使った麻辣鍋のことを指すようになった。

かつては1年を通し火鍋を食べていたのは四川省ぐらいであったが、今では全国で季節に関係なく人気の料理になった。そう教えてくれたのは、東京・池袋の火鍋専門店「海底撈火鍋(かいていろうひなべ)」サービスマネージャーの張成さんだ。

中国・遼寧省の省都、瀋陽の火鍋

「海底撈火鍋」は、1994年四川省の省都・成都で創業した中国で大人気の火鍋チェーン。中国全土に260以上の店舗を展開、日本を含め米国やシンガポールなど世界5カ国に進出している。日本には2015年に1号店ができたが、今年11月には2号店のオープンを予定、出店を加速する方針だという。

この火鍋チェーン、なにかと「サービスが悪い」と言われる中国で、驚きの顧客サービスを提供し評判となってきた。各店には席に通されるまでを待つウエイティングルームがあり、フルーツや飲み物が置いてある。なんと、これが無料(日本では飲み物のほか、ポップコーンなどが置いてある)。また、ネイルの施術も無料で提供、中国では靴磨きサービスなどもあるという。

麺を頼むとテーブルの脇で、麺を伸ばすパフォーマンスを見せてくれる

鍋のシメに麺を注文すると、テーブルの横で太極拳のような動きをしながら、縄跳びのように長く麺を伸ばすパフォーマンスを見せてくれるのもこの店の名物サービスだ。

中国では、いかに上手に長く麺を伸ばすかを各店の従業員が競うコンテストも行われているらしい。「日本を含め主に海外の店では変面(へんめん)ショーもやっているんですよ」と張さんは続ける。変面とは一瞬のうちに顔に付けた面を変え変身する中国伝統の演技だ。客をとことん楽しませようとする同店が、各国で人気なのもうなずける。

「海底撈火鍋」では上のような変面のパフォーマンスも行う=PIXTA

「海底撈火鍋」のようなユニークな店の影響があるのだろう。「最近は火鍋人気が過熱気味で、ほかの火鍋店でも驚くようなサービスが次々と出てきているんです」と言いながら、張さんがスマートフォンの画面を見せてくれた。

映し出されていたのは、鍋に入ったテディーベア。「なぜ鍋に熊の人形が……」と目を丸くしていると、「これは牛脂でできた辛みのもとで、スープに溶けるんですよ」。ぐつぐつと煮立った鍋の中で溶けていく熊は、どうも食欲をそそりそうにない。

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