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関東、餅にあんこ 関西、粒あんの田舎汁粉 ぜんざい

ぜんざい VS お汁粉(2)

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NIKKEI STYLE

先日、世田谷の三軒茶屋に遊びに行った。三軒茶屋略して三茶。世田谷の高級住宅街イメージとは反対に庶民的な街で、びっくりするほど安い店が何軒もある。通りがかった鮮魚店の店頭に生のズワイガニが並んでいて、これが1パイ1500円。2ハイなら2000円だという。即買い。家に帰って1パイはゆで、もう1パイはカニすきにして食べた。

その三茶の喫茶店に「ぜんざい」があった。焼き餅と白玉が入った粒あん汁ありの私からみて正統ぜんざいに抹茶に塩昆布。

デスク知ったかぶり ズワイガニは「越前ガニ」「松葉ガニ」なんて呼ばれたりしますね。初セリでは1匹1-3万円くらいだそうです。一方、そのメスの方は「セコガニ」「香箱」などと呼ばれ、500-800円。越前ガニがあんまり高いので、食べ過ぎを戒めた言葉が「イチニチエチゼン…」。

帰る。

ご意見 私は生後20年余を大阪で過ごし、その後東京に引っ越してきて10数年になりますが、いまだに東京と関西の食文化の違いには驚かされています……それで、お汁粉とおぜんざいですが、関西人の私は完全にぜんざい派です。東京に引っ越してきた当初、甘い物屋さんで、ぜんざいが「田舎しるこ」という名前で出されていたのを見て、めちゃめちゃ頭にきたのを覚えています。「何が田舎じゃ。和菓子はもともと京都の物なんやから、東京流の方が田舎のはずやろ!!!」と怒りまくって旦那をあわてさせました。
 高校時代の家庭科の先生がばりばり京女の面白い先生で、彼女にとっては今も京都が都、日本の中心でした。「料理に使っていいのは、ヒガシマルの薄口醤油だけですよ。某K社(敢えてイニシャルにしました)の濃口醤油なんて、あんなん使うのは板東の田舎者のすることです」と、首都圏を板東よばわりして、この人はいったいいつの時代に生きているんだろうと思わせてくれました。
 東京のお店で、「田舎しるこ」なる名称を見た時、「なにを、板東の田舎者が」と、ついその先生の真似をしてしまった私です。今我が家で使っているお醤油は、もちろんヒガシマルの薄口醤油。東京のスーパーではなかなか売っていなくて苦労しますが(東京都江東区在住 井上さん)

京都で「先きの戦」というと応仁の乱を指すなんて言われますが、「板東の田舎者」も凄いですね。「天皇さんはいまちょっと東の方に行ってはりますが」という言葉を京都の人の口から聞いたときには「応仁の乱」はまんざらウソではないかもしれないと思いました。

ところで「旦那をあわてさせる」ほどの怒りの強さってどのくらいですか。チャブニチュード5? でもってその家庭科の先生はK社の醤油を使っている生徒がいた場合、どうしたんですか? 保護者を呼び出して醤油を変えるように指導したんですか? 単位くれない?

ご意見  夫婦そろって名古屋出身で、夫の転勤で関東と関西を行き来しています。我が家の認識としては「ぜんざい=粒あん、お汁粉=こしあん」です。
 ただ関東のお汁粉(時にはぜんざいも)は、汁気がない! 浅草・梅園の粟ぜんざいなんて、粟餅にあんこがのってるだけじゃん! レトルトのぜんざい、お汁粉もカップ麺と同じく東西版があるのでは? 1月11日の鏡開きをレトルトで済ませようとして、びっくりしました。お湯を足して薄めるのかと思った。
 ちなみに、現在はどうかわかりませんが、2年程前はあんぱん、あんまん(中華まん)の中身のあんこが関東ではこしあん、関西では粒あんでした。某コンビニの「黒ゴマこしあんまん」が大好きだった私は、関西に引っ越して、売っていなくてショックでした(横浜市在住の主婦さん)

梅園のぜんざいはただのあんこです。あれがあんこじゃなかったら何なんですか。あっ、ぜんざいですか。そうなんですか。あれに汁が加わるとお汁粉になるんですか。でもそれがぜんざいってものではないんですか。あっ、それは田舎しるこ? じゃあ、ぜんざいは? だから、汁がなかったらあんこでしょ。というくらい、難しいのです。皆さんもレトルトを買うときは注意しましょう。

ご意見 私は神田生まれの神田育ち、両親は上野生まれ……しるこは家や親戚で食べるものは粒入りでした。外で食べるときは粒入りもあればこしたものもあり、幼いながらに「こしたものは手間がかかる分だけ、外で高い値段で売るとき用なのだ」と思っておりました……ぜんざいと言う場合は記事にあったとおり、小豆がつぶつぶで汁がない(ただし水分は含んでいる)ものを指します……なお自らの語彙(ごい)不足を暴露するようですが「夫婦善哉」という番組は昔見ておりまして、幼い小生は「善哉は漫才の大阪方言」だとばかり思っておりました。善哉という名のものはそのくらい身近になかった(50歳 夢の途中さん)

はい、夢の途中さんは「ただのあんこ」を「ぜんざい」と呼ぶ派です。でも東京の人から見ると私は「田舎しるこ」を「ぜんざい」と呼ぶ人です。お互いに「ほっといてくれ」ですよね。甘味界における文明の衝突です。本当はどうでもいいことかもしれません。どうでもいいことといえば、このサイト全体がどうでもいいことばかりじゃないかと言われるかもしれません。墓穴掘ってます。

幼いころ善哉は漫才の大阪方言と思っておられたそうですが、幼いころで良かったですね。「最近まで」だったらエライことでっせ。

ところで夢の途中さんからは以前「焼酎のそばつゆ割り」を飲ませる立ち食いそば屋を教えてほしいとのメールをいただいて、このサイトでお知らせしました。無事発見された由、よろしゅうございました。でもあそこのそばは早々と売り切れるのではなくて、酒関係の仕事が忙しくてやってられないというので、夕方になると食券自販機の電源を切るんです。私が行ったとき、あのおばさんが電源を切り忘れたもので、そばの食券を持った人がどんどん入ってきて大混乱になっておりました。

「ぜんざい」「田舎しるこ」の歴史問題だが、ミルフォードさんから「ちょっと調べてみたところ、江戸時代の文献には既に『いなか汁粉』という言葉が見つかっているそうです。その中では、こしあんに粒の小豆をまぜたもののことを指していたようです」というメールをいただいている。

例によって『たべもの起源事典』を開いてみる。「善哉」という言葉の初出は何と室町期の『尺素往来』。応仁の乱より古かった。先週、紹介したメールにあった「神在(じんざい)が善哉になった」という話も出ている。「出雲では神在餅といい、日本の神々が出雲に集まると、アズキを煮て汁を多くし、餅を入れて供えたという」。「田舎汁粉」の屋台が現れたのは幕末の江戸。明治維新後には武士の商法による「汁粉屋」が東京に続々できたそうだ。

定義があって「田舎汁粉は粒あん、小倉汁粉は小倉あん、常磐(ときわ)汁粉はひき茶あん」。

「ぜんざい」の項を見ると、「関東では餅にアズキあんをかけたもの、関西では粒あんの田舎汁粉のこと」。

では「田舎」に「田舎汁粉」はあるのだろうか。逆に「都会汁粉」があったりして。

ご意見 家で作って食べるのは「ぜんざい」ですね。辛党の父が権力を持っていた我が家で甘味が出ることはまれだったのですが、たまに「ぜんざい」を母に命じて作らせていました。もちろん「粒々汁あり」です。ちなみに実家は高知です……もともと田舎の高知には「田舎しるこ」なんてものはありませんでした。もちろん「都会しるこ」なんていうものもありません(高知のNAKATANIさん)

というわけで、どっちもないようです。でも全国に〇〇銀座があるくらいですから、「東京しるこ」くらいはどこかに生息しているかもしれません。

で、このメールを読んでいて「父が権力」「母に命じて」というフレーズが印象に残りました。私、このような家庭を知りません。「母が権力」「父に命じて」なら心当たりがないでもありません。

つぶあんこしあんおはぎにぼたもち。

ご意見 私は"ぼた餅(おはぎ)"と言えば、子供のころから蒸したもち米の握ったもの(おにぎり)の周りに粒あんをまぶしたものと信じていたのですが、長ずるにつけあんが中に握り込まれたもの、またあんの内外を問わず、蒸しもち米のお握りじゃなくて、餅になってるものもおはぎと呼んでいるのに何度も遭遇しました。地方地方で呼び方がいろいろなのは当たり前、同じ呼び名で品物違いもよくあることなのでしょうが、私は蒸し餅米お握り・外付けあんこの"ぼた餅(おはぎ)"が好きなせいか、何だか納得いきません。ぼた餅とおはぎがそもそも別物だったのでしょうか。少々テーマからそれますが、この辺のご教示もいただければ幸いです(滋賀県大津産・今は埼玉のKeiさん)
ご意見 私の中の定義では「おはぎ」は秋に食べるもので粒あん。「ぼた餅」は春に食べるものでこしあんです。秋には萩、春には牡丹。これは明確ですが(ですよね?)、スーパーなどで売られているものを見ると、秋にも春にも「おはぎ」と書かれているものが多いような気がします。というか、「ぼた餅」を見たことがありません。「おはぎ(粒)」「おはぎ(こし)」という表記も見掛けますし。粒かこしかについては恐らく諸説あると思うのですが、「おはぎ」と「ぼた餅」の名称はしつこいようですが明確ですよね? それともそんなことはないのでしょうか。
 そうそう、夏には「夜船」、冬には「北窓」と呼ぶとどこかで見た覚えがあるのですが、「ぼた餅」ですら廃れている今、そんな名称を実際に使っているのは見たことはありません。いまだに使われている方、いらっしゃるのでしょうか。とても風流で素敵だと思うのですが(鎌倉ROSEさん)

「註」が書けない。全然わからない。手元にある本にお菓子関係のものもない。言われてみると確かに名前と内容に規則性がないようだし、大混乱の印象は強い。ぜんざい・お汁粉も含め甘味界はカオス状態なのだろうか。大阪のお菓子屋さん、豊下製菓の豊下さん、助けてくださーい。

ご意見 近所のコンビニで井村屋の「あんまん」=「粒あん」だったのはすごくショックでした。井村屋は「こしあんまん」という表記にしているようです。おそらく、井村屋の発祥が三重県であることと強いつながりがあって、私にとっての「あんまん」は新宿中村屋の(こしあん)イメージが強いからではないかと勝手に考察しています。さすがに東京地区で「あんまん」=「粒あん」では不評だったのか、最近では「こしあんまん」を「あんまん」と称して売っている店もあるようですが、井村屋さんにとっては「あんまん」=「粒あん」なのでしょう。「こしあん」と焼き印が押してあります。「あんまん」には焼き印は押してありません(キャニオン@東京さん)

あんまんに粒あんが入っているとショックを受ける人がいることにショックを受けました。そーなんだー。

ご意見 横尾忠則が粒あん派というのは有名ですね。こしあん派の天野祐吉が「粒あん派は下着のブリーフ着用、こしあん派はトランクス」と言っているようです。そうなんでしょうか。たしかに粒あん派のウチの人の下着はそうですけれども(福島のテレジアさん)

あーあ、テレジアさんのウチの人は下着までばらされちゃった。私も共犯ですけど。

今回のVOTE。最初は呼称としての「ぜんざい」「お汁粉」の分布を調べる。2番目でその内容を調べ呼称とシンクロしているかどうかを検証する。最後は「田舎しるこ」というメニューがごく限られた地域にしかなく、全国の田舎に住む人々、田舎出身者の怒りに包囲されていることを……調べようというわけではない。ただ「田舎しるこ」地帯がどの辺にあるのかを知りたいだけである。

(特別編集委員 野瀬泰申)

[本稿は2000年11月から2010年3月まで掲載した「食べ物 新日本奇行」を基にしています]

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