グリップは革シボ風にして質感アップ

カルムは持ちやすさとデザインの両立にも配慮し、革のようなシボ感があるゴム素材を採用している。カメラなどでは昔からよく採用されている手法だが、文具では使われていなかった。スタンダードな筆記具にするため、想定実勢価格を単色の場合で160~170円程度と決めていたといい、「静音設計に加えて、革シボ風に仕立てるのはコスト抑制の面で難易度が高かった」と中沢氏。実際に使ってみると、このグリップの質感は上々で満足度は高いと感じる。

リフィルにはぺんてるの低粘度油性インキを採用している。書き味を試したところ、インキは滑らか。先ほど説明したグリップと、やや太めの軸のおかげで持ちやすいこともあり、快適な書き心地だった。このインキは10年の商品化当初から現在まで細かい改良を続けていて、カルムには最新版を搭載したという。

革のようなシボ感があるグリップも特徴的。150~200円の価格帯のボールペンに比べてかなり長く、握りやすく滑りにくい
単色・3色・多機能の3タイプは、軸の太さがほとんど変わらない。単色タイプは細すぎないので握りやすく、長時間の筆記もしやすい。一方、3色・多機能タイプは太くなりがちだが、細めに抑えたことで手の小さい人でも使いやすい

ユニークな機能とデザインを持ちつつ、単色タイプは160円台。「音ハラ」の加害者になることを避けたいミレニアル世代が、カルムを選んでも十分に納得できる。22年の新年度に向けてかなり売れるだろう。

(文・写真 フリーランスライター 納富廉邦)

[日経クロストレンド 2021年12月16日の記事を再構成]

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