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ぺんてる「音ハラ」対策ボールペン 心地よいノック感

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日経クロストレンド

ミレニアル世代のニーズをカバーしたボールペンが、ぺんてるから発売された。「音ハラスメント」の加害者になりたくない20代、30代に向け、ペン先を出し入れする際に発生するノック音を抑制したという。手ごろな価格もあり、ヒットしそうだ。

◇  ◇  ◇

ミレニアル世代の心に刺さる筆記具が、2021年12月15日に登場した。切り口が斬新で、発売前から卸売りや小売りの業界から大きな反響が寄せられていた。

ぺんてるの「Calme(カルム)」は、20代から30代が使うスタンダードになることを目指して開発された油性ボールペンだ。ペン先の出し入れ時に発生するノック音を抑えた設計が特徴で、単色タイプ、3色タイプ、多機能タイプの3種類がある。単色タイプの実勢価格は165円(税込み、以下同)で、一般的なボールペンと同程度の水準。3色タイプは同440円、多機能タイプは同550円となっている。

開発を担当したぺんてる製品戦略本部デザイングループ課長の中沢英和氏によれば、もともと静音設計に着目していたわけではなかったという。「開発当初はゼロベースから考え始めた。筆記のための道具とはどういうものかという根本的な部分を探ろうとしたのが出発点」(中沢氏)。中沢氏から相談を受けたプロダクトデザイナーの三宅一成(かずしげ)氏も、「ボールペンではなく、字を書く道具を改めてデザインしようと考え、ふさわしいかたちについて議論を深めた」と話す。

そうして「手に持って書いてみたい」と消費者の心を動かす仕掛けを求めていく過程で中沢氏たちが注目したのが、自身や他人の発する音に敏感になっている、今どきの消費者心理だ。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、他人と同じ空間で仕事をしたり、勉強したりすることが当たり前になった。しかしミレニアル世代の多くは、そうなる前からボールペンのノック音を気にしていたのだ。それは他人のノック音だけではない。自分が出すノック音が周囲に迷惑を掛けている、つまり、「音ハラ」の加害者になっているのではないかという懸念も多分に含まれる。

そこで他社製のペンも含めた使い比べの調査を実施するなどして深掘りを進め、静音性の高いボールペンに求められている条件を探っていった。この静音機構を設計したぺんてる研究開発本部の野村恭平氏によると、分かったのは「完全無音は求められていないことと、ノックしたという感覚に対するニーズは高いことの2点」。それらのポイントを押さえて、カルムにはタイプに応じた静音機構を搭載した。

2つ用意した静音構造

単色タイプは、クリップ部分にノック機能を持たせた新しい設計だ。一般的なボールペンはノックの操作でペン先を出し入れする際、回転子と呼ばれる本体内部の部品が上下に行ったり来たりする構造で、その衝撃が音の発生につながる。しかしカルムでは、この回転子の上下の動きを摺動子(しゅうどうし)という部品で受け止め、衝撃を緩和。ノック操作の手応えは残しつつ、音を小さくする仕掛けになっている。

野村氏は、「ノック操作をしても静か、けれどもノック感は程よいという微妙なバランスの取り方について、時間をかけて丁寧に詰めた」と説明する。

3色タイプと多機能タイプの静音設計は、シンプルな構造だ。一般的にペン先を出すときの音はあまり大きくないが、戻すときの音は大きい傾向にある。そこでカルムは後軸の頭部分に緩衝材を入れて、芯が本体内部に戻ったときの衝撃を和らげる設計にしている。

こうした静音設計のおかげで、ノック時の操作音を66%も減らした(ぺんてるの自社従来品比)。一般のボールペンではどんなに静かに操作しようとしても、カチカチとした硬質な音がゼロにならないが、このカルムはシュカッと乾いた音がする程度だ。音質の差のせいか、カフェなど周囲の音がある程度聞こえる場所では、そのノック音がほとんど聞こえなかった。ノックボタンをそっと押して、跳ね返り時も指を最後まで添えていれば、無音と言っていいレベルにもできる。

グリップは革シボ風にして質感アップ

カルムは持ちやすさとデザインの両立にも配慮し、革のようなシボ感があるゴム素材を採用している。カメラなどでは昔からよく採用されている手法だが、文具では使われていなかった。スタンダードな筆記具にするため、想定実勢価格を単色の場合で160~170円程度と決めていたといい、「静音設計に加えて、革シボ風に仕立てるのはコスト抑制の面で難易度が高かった」と中沢氏。実際に使ってみると、このグリップの質感は上々で満足度は高いと感じる。

リフィルにはぺんてるの低粘度油性インキを採用している。書き味を試したところ、インキは滑らか。先ほど説明したグリップと、やや太めの軸のおかげで持ちやすいこともあり、快適な書き心地だった。このインキは10年の商品化当初から現在まで細かい改良を続けていて、カルムには最新版を搭載したという。

ユニークな機能とデザインを持ちつつ、単色タイプは160円台。「音ハラ」の加害者になることを避けたいミレニアル世代が、カルムを選んでも十分に納得できる。22年の新年度に向けてかなり売れるだろう。

(文・写真 フリーランスライター 納富廉邦)

[日経クロストレンド 2021年12月16日の記事を再構成]

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