アディダスのランニングシューズ3選 爆発的な推進力
アディダス、ニューバランス、ナイキの最新ランニングシューズ(上)
運動不足を解消するため、ウオーキングやランニングを始める人が増えている。そこでアディダス、ニューバランス、ナイキの最新ランニングシューズを紹介する。今回はアディダスの注目モデル3足を取り上げる。
ベストタイムを目指すスピードモデル
国内外の多くのトップランナーに愛用される人気モデル「アディゼロ タクミ セン 8」。5〜10キロメートルを中心としたロードレースで自己記録を目指すランナーに向けて開発され、女子1万メートルの日本記録保持者である新谷仁美選手も着用している。
グラスファイバー素材を用いた5本骨状バー「EnergyRods(エナジーロッド)」を搭載している点が特徴。5本のパーツごとに硬さが調整されており、ヒール着地の衝撃吸収から前足部による強い蹴り出しまで、足の形状に沿った自然な重心移動を維持することが可能で、接地感覚や屈曲性を損なわずに爆発的な推進力を発揮する。
さらに、2層構造になった軽量・高反発フォーム「LightstrikePRO(ライトストライク プロ)」と、ヒール部分のカーボン配合ナイロンプレートを組み合わせたミッドソールにより、スムーズなモーションでバネのような蹴り出しを実現する。
軽量性と保形性に優れたメッシュアッパーはフィット性が高く、まるでシューズを履いていないかのような感覚を味わえるという。アッパーに50%以上、リサイクル素材を使っているのもポイント。
ゆっくりと長い距離を走るLSDに適した1足
ランナーがゆっくりと長い距離を走るLSD(ロング・スロー・ディスタンス)トレーニングに適した構造を持つ「アディスター」は、レベルアップに最適な1足だ。
永久機関のアイデアにインスピレーションを受け、4500キロメートル以上の距離でテストされたソールを採用。ロッカー理論に基づく前足部のローリング形状が、スムーズな蹴り出しと推進力を生み出し、リズミカルな走りを実現する。かかとがブレにくく、着地時の安定性も高い。
また、優れた通気性とフィット感を備えたアッパーデザインも見逃せない。アッパーやシュータンには厚めのパッドが入っており、ソフトな履き心地で長時間快適なランニングが楽しめる。
アウトソールには、自動車やレース用の自転車に採用されている「Continental(コンチネンタル)ラバー」を採用。さまざまなコンディション下でも高いグリップ力を発揮し、スリップによるエネルギーロスを軽減するという。
地球環境に配慮して作られたコラボレーションモデル
「フューチャークラフトフットプリント」は、ライバル関係のスポーツブランドであるアディダスとオールバーズがコラボレーションした注目モデル。独自技術や素材のイノベーションを共有することで、生産過程で発生するカーボンフットプリント(温暖化ガス)を2.94kg CO2e(二酸化炭素換算排出量)に低減した1足となっている。
アディダス独自のミッドソール「Lightstrike(ライトストライク)」をベースに、同じ性能基準でテストされたミッドソールを搭載。オールバーズのサトウキビをベースにした「SweetFoam(スウィートフォーム)」で再構築することで、低炭素の天然素材の実装を実現したという。
また、新たに開発されたアッパー素材も特徴。リサイクルポリエステル77%と、木材パルプから作られた天然素材テンセル23%で製造されている。滑らかで非常に軽量なアッパーは、パフォーマンスを維持しながら、カーボンフットプリントを大幅に削減。カーボンニュートラルな未来に向けて走り出すランニングシューズに仕上がっている。
アディダス ジャパンのブランドコミュニケーションズ マネジャー木村直也氏は、「昨今はサステナブルな素材を使用したシューズも人気が高く、地球環境への意識が高いランナーを中心に支持を得ている」と話す。
(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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