ネット会議もアバターで
すでにゲームや音楽ライブなどのエンターテインメント分野で先行するメタバースだが、将来的には仕事や学習、運動といった幅広いジャンルへの展開が見込まれる。特にコロナ禍における社会情勢の変化は新たな用途を生み出した。それがMetaに加えてマイクロソフトも参入するオンライン会議だ(図3、図4)。身ぶり手ぶりから表情までもアバターで再現し、仮想空間の会議室などでコミュニケーションを深めるのが狙いだ。


メタバースへの参加に、VRゴーグルのような機器は必須ではない。マイクロソフトはユーザーのカメラ映像や音声を、アバターの表情や動きに反映させる技術を開発している。
現状、明確な定義がないメタバース。前述のような仮想空間ではなく、現実世界にメタバースを投映する「拡張現実(AR)」や「複合現実(MR)」を理想と考える企業もある。今後、既存のサービスが拡張されてメタバースが実現するのか、あるいはまったく新しいプラットフォームが生まれるのか、主導権争いから目が離せない。
(ライター 五十嵐俊輔)
[日経PC21 2022年2月号掲載記事を再構成]