日経PC21

ネット会議もアバターで

すでにゲームや音楽ライブなどのエンターテインメント分野で先行するメタバースだが、将来的には仕事や学習、運動といった幅広いジャンルへの展開が見込まれる。特にコロナ禍における社会情勢の変化は新たな用途を生み出した。それがMetaに加えてマイクロソフトも参入するオンライン会議だ(図3図4)。身ぶり手ぶりから表情までもアバターで再現し、仮想空間の会議室などでコミュニケーションを深めるのが狙いだ。

図3 Metaが2021年夏に図2のVRゴーグル向けにベータ版を公開した「Horizon Workrooms(ホライゾンワークルーム)」。仮想ルームに複数のユーザーが集まり、プレゼン資料を前にアイデアを話し合ったり、ホワイトボードに書き込んだりといった共同作業が可能。VRゴーグルを装着したユーザーの身ぶり手ぶりまでアバターで再現される
図4 マイクロソフトは、既存のビデオ会議ツール「Teams(チームズ)」を拡張してメタバースに対応させた「Mesh for Microsoft Teams」を発表。音声に合わせてアバターの顔がアニメーションで動くようにする計画で、将来的にはカメラで捉えた頭や顔の動きの再現ももくろむ。プレビュー版の提供は2022年前半

メタバースへの参加に、VRゴーグルのような機器は必須ではない。マイクロソフトはユーザーのカメラ映像や音声を、アバターの表情や動きに反映させる技術を開発している。

現状、明確な定義がないメタバース。前述のような仮想空間ではなく、現実世界にメタバースを投映する「拡張現実(AR)」や「複合現実(MR)」を理想と考える企業もある。今後、既存のサービスが拡張されてメタバースが実現するのか、あるいはまったく新しいプラットフォームが生まれるのか、主導権争いから目が離せない。

(ライター 五十嵐俊輔)

[日経PC21 2022年2月号掲載記事を再構成]