商品の説得力を増やすため動画内で実験も

企業案件で作成した動画で話題となったのが、21年7月に投稿した「サロニア」の「イオンフェイシャルブラシ(電動洗顔ブラシ)」。卵黄に当てても割れないくらい摩擦が少ないというのがセールスポイントだったため、動画では実際に実験した映像も差し込んだ。「実験系の動画は説得力が増すので再生回数が伸びやすいんです。また、卵黄の実験映像に関しては、あえて冒頭に持ってくることで『なんだこれ?』と視聴者の興味を引く構成にしました。TikTokは見始めてから3秒以内に面白さを伝えることが大事なので」。この動画は200万再生を記録しており、売り上げにも大きく貢献した。
自身の経験と知見を踏まえて、クライアントに提案ができるのも彼女の強みだ。例えば、商品に関して「この情報を全部入れてください」との要望が来た際も、冷静に判断した上で、「この要素は入れないほうが再生回数は伸びると思います」と進言することもあるという。「情報が多いと動画が長くなってしまい、TikTok上でのニーズが低くなってしまうことがあるんです。できるだけたくさんの人が得をする動画にするよう心掛けているので、企業側、視聴者側、どちらにも寄りすぎない、うまくバランスが取れたものを作ることを常に意識しています」
美容アイテムの開発やフェムテックにも興味
自発的に投稿する動画も企業案件の動画も、基本的に向き合うスタンスを変えずにやってきたことが、62万人というフォロワー数につながっている、やみちゃん。将来的には、これまで培ってきた経験と知識をもとに、美容アイテムの開発を手掛けるというビジョンも持っている。「使って納得してもらえるアイテムを作るのはもちろんなんですが、手に取りたくなるようなパッケージや、見た目が美しいデザインにもこだわりたいですね。これまでいろんな動画を作ってきて、映えることがバズることにつながる例を数多く見てきたので」。
また、近年注目度が上がっている、女性の抱える身体の悩みをテクノロジーで解決するフェムテック系への参入も考えているという。今後も活躍する場面はさらに増えていきそうだ。
(記事中のデータは21年11月時点)
