ギャンブル好きで借金を抱える鈴木もぐらと、マザコンの水川かたまりのキャラクターで、ブレイク前からお笑い好きの間で浸透していた空気階段。近年のお笑い界の盛り上がりとともに、注目度が右肩上がりだったコンビの代表格だ。2021年はついに『キングオブコント2021』も制覇。大躍進を遂げた2人に21年の活動について話を聞いた。

『有吉の壁』(日本テレビ系)や『ゴッドタン』(テレビ東京系)などへの出演と、レギュラーラジオ『空気階段の踊り場』(TBSラジオ)が人気の基盤。21年は、2月に開催した単独ライブ『anna』の配信チケットが1万枚以上売れ、コロナ禍で進んだお笑い配信ライブでも存在感を示した。
そんな彼らが実力を発揮してきた場所が『キングオブコント』。3年連続で決勝に進出し、19年は9位、20年は3位という結果を残した。そして放送後に“史上最高回”との声が相次いだ21年10月開催の『キングオブコント2021』で、ついに優勝を果たした。
もぐら 『キングオブコント』で優勝した瞬間は、実感がないまま、夢みたいな気持ちでした。無意識のうちに脳内で“汁”だけ出ていました(笑)。今までパチンコで1万発、2万発当たったときにそんな感覚になったことがあったけど、賞金1000万円ですから。250万発の“汁”は経験したことがない。もちろんうれしかったけど、あの瞬間のことは言葉では言い表せないです。宇宙と一体になる、みたいな感じ。
かたまり 実感がなかったのは僕もそう。僕の場合は、大地と一体になった感覚というか(笑)。実際に優勝したらホッとしたのと同時に、今までに味わったことのないうれしさでした。
もぐら 決勝進出が決まったときの喜びは、パチンコ屋の整理番号で1番を引いた感じなんですね。「今日は好きな台に座れる、よし行くぞ!」っていう。やっぱり台に座らないと勝負はできないですから。優勝したときは「1000万獲得したぞ」っていう喜びなんで、やっぱり全然違いますよね。
かたまり 19年から3年連続で決勝に臨んできましたが、今回何かを変えたということはないんです。対策としては、ネタをライブでかけまくって、本番で1番いい状態のものをやるというだけ。19年も20年も、自分たちのなかでは最高のものを出したつもりではあったんですけど。
もぐら 毎年、その年に出来たネタの中で自信のあるものを2本選んで、それをライブでとにかくやるということをしてきたので、やり方は一緒なんです。
かたまり 今回の2本は8月の半ばに決まって、それ以降のライブで調整してきて。たぶん1本目の「火事」のネタは、3月か4月に出来ていたんで、30~40回はお客さんの前でやったと思います。2本目の「メガトンパンチマンカフェ」は単独ライブでやったネタで、もともと20分以上あるものを縮めて、8月から決勝までの間に15回くらいはやってきました。